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Trading101
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エリオット波動理論 – ランニングコレクションは実在する

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ラルフ・エリオットは1930年代にエリオット波動理論の基礎をまとめました。本人は「宇宙の秘密」を見つけたと確信していましたし、結果として、その発見は今なお、ほぼ100年後でも、金融市場にトレーダーを引きつけています。

FX取引は1930年代ごろに起こった株式市場取引とはまったくちがったものです。商品は同じではなく、流動性も同じではなく、ましてや市場の変動性と速度はいうまでもありません。

しかし、この理論は、様々な市場サイクルの解釈を通じて、悲観主義と楽観主義の両方を明らかにすると主張しています。作用・反作用の原則に基づき、エリオット理論が述べるサイクルには衝動波と修正波が含まれています。

サイクルの衝撃波の部分では市場の動きが速くなるため、衝撃波のほうがトレーダーには人気がありますが、市場が大半の時間を費やすのは、衝撃波ではなく修正波です。それはFX取引にも当てはまります。変動が一番大きな市場の一つであるにもかかわらずです。

NFP(非農業部門雇用者)が発表される週を考えてください。NFPの発表は金曜に行われ、雇用統計が発表されるまで、市場参加者が一か八かの手をうつことはありません。

あるいは、この記事を書いている週のように、連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)の声明や記者会見が水曜と木曜、ロンドンとニューヨークの各取引時間時間中に行われる予定になっています。市場はどうしたでしょうか?

何もしませんでした!月曜に取引が始まると、時間足で保合の状態となり、Fed発表の前に同じレベルで終了しました。従って、修正波がこの時間枠で形成されます。

しかし、5分足チャートのように、時間枠が短くなると、時間足で赤のローソク足であったものは、衝撃波である可能性がでてきます。ただし、小さい度合いです。ここでポイントとなるのは、FX取引では、市場は常に、修正波と衝撃波の両方に時間を費やすという点です。両方のサイクルの割合が異なるだけです。

ランニングコレクションという概念

修正構造は衝撃波の中でも現れます。以前の記事より、衝撃波は1-2-3-4-5と番号がつく5波動の構造になっていることはわかっています。

とはいえ、市場が衝撃波の構造を伴いながら、上昇または下落するときでさえ、2つの修正波があります。第2波は第1波を修正し、第4波は第3波を修正します。

これはサイクルの前半で起こります。サイクル後半はそのサイクルの修正波で、a-b-cは1-2-3-4-5全体を修正します。

エリオット波動サイクルの解釈は次のようなものになります。

このような動きまたはサイクルに対する標準的な説明では、第5波が終了すれば、大きな第1の波が終了することになります。そして、当然ながら大きな第2の波はc波の終了です。

言い換えると、エリオット波動分析は次のようになります。

大半のトレーダーは、第3波が延長する傾向があるため、ロング(買い)の継続を望みます。トレーダーは、第1波の長さを測定し、赤で書いた第2波の終了より161.8%を予想します。これが、第3波で延長衝撃波が起こる時に、値動きが起こる最小距離です。

しかし、FX取引では、市場がランニングコレクションを形成する傾向がますます増えています。上のチャートで見られる修正は、昔ながらのもので、黒で書いたa-b-cは、赤色で書かれた2で第2波を終了していますが、この赤の2は第1波の領域内にあります。

ほとんどの場合は実際にこのようになりますが、場合によって市場は「ランニング(連続)」します。第2波がどこか別のところで終わることはありえるのでしょうか?答えは、ありえます。

さらに、第2波が以前の第1波の領域内で終了とならない事態はありえるのでしょうか?ここでも、ありえる、という答えとなります。

第2波が第1波の終了時点よりも上(強気トレンドの場合)、または第1波の終了時点より下(弱気トレンドの場合)という状況さえありえます。ここでも、ありえる、という答えになります。

さらに、これは今日のFX取引の値動きの特徴なのです。ですから、ランニングコンセプト(連続概念)を理解しておくと、トレーダーはエリオット理論を利用して、波に乗りやすくなります。

FX取引における大きなX波

ランニングコレクションの秘密は、介在する波にあります。2つの単純な修正がつながったこの修正波があるため、トレーダーはこの波を衝撃波の第3波と誤解しがちです。

前の記事で、複雑修正という概念と、複雑修正に1つか2つのX波が存在する方法について取り上げました。

しかし、この修正のほとんどが小さなX波で、第1修正の61.8%にみたないリトレースメントの発生はほとんどありません。これまでの経験でいくと、小さなX波を伴う複雑修正はすべて、前回の領域で終了します。従って、トレーダーが「ランニング(連続)」効果を見つけることはありえません。

しかし、大きなX波を伴う修正であれば、第1修正波の長さと比べると、61.8%を大きく上回るリトレースメントがあります。実際、「ランニング」効果が確実にでるようにするため、大きなX波が100%をはるかに越え、161.8%、261.8%以上のリトレースメントとなることがあります。

続いて、X波が終了した後、もう一度持ち合い状態があります。通常、X波はジグザグかジグザグ系統のパターン(ダブルジグザグまたはトリプルジグザグ)であり、修正波の第2の部分は通常はトライアングルになります。

FX取引で現れることが多い典型的なランニングコレクションは、ダブル・スリー・ランニングと呼ばれるもので、以前の例を使うのであれば、第2波でダブル・スリー・ランニング修正となるために、市場は次のパターンを形成する必要があります。

上のチャートは、衝撃波の動きをする第2波をランニングコレクションとして解釈する可能性を示します。ダブル・スリー・ランニングと呼ばれるこの波は、2つの単純な修正(フラットとトライアングル)が、大きなX波でつなげられたものです。

ランニングコレクションには、多くのトレーダーの判断をあやまらせる特徴があります。標準的な解釈のため、多くのトレーダーは、元の価格よりも161.8%拡大するまでに、買い取引を終了します。

ところが、それは第3波の始まりにすぎず、161.8%の拡大はここから始まります。トレーダーの大半はただ不意打ちを食らうのですが、このチャートを見れば、なぜランニングコレクションが終了するまで、爆発的な動きが続くのかがわかります。

結論

ランニングコレクションはFX取引でよく現れます。出現する頻度が高いので、多くの場合、抜け目のないトレーダーは昔ながらの修正を無視します。

ランニングコレクションの後には、爆発的な値動きとなるため、大半のトレーダーが加わりたい波です。市場が急な動きを見せるからです。

ランニングコレクションはほとんどの場合、衝撃波の第2波として現れ、それに続く第3波は、売りの大半がすぐにストップアウト(強制決済)となるため、急展開となります。

また、ジグザグが延長型の時は、ジグザグのb波として現れる可能性があります。この取引アカデミーの次の記事では、延長型パターンを詳しく取り上げます。

ここで大切なのは、ランニングコレクションというものが実際に存在し、FX取引ではかなり頻繁に形成されているという点を覚えておくことです。さらに、ランニングコンセプトは理解がきわめて難しい概念です。特に、エリオットの望み通り、偏見のない心をもっていないのであれば、難しいでしょう。