超富裕層が避ける5つの投資の大失敗
by Andrew McGuinness 7月 16, 2019
超富裕層(純資産3,000万ドル以上の個人)は資産のほとんどを、上場企業と非公開企業株、個人投資、不動産投資と、多様なポートフォリオに分散投資しています。この超富裕層を、UHNWI(Ultra-High-Net-Worth Individuals ウルトラ・ハイ・ネット・ワ―ス・インディビジュアルズ)ともいいます。
超富裕層になるのに必要なのは、2つか3つの秘密の投資戦略だけだと多くの人が信じています。ですが実は、超富裕層の投資家には、一般大衆が気づかないような秘密や隠れた情報があるわけではありません。代わりに、守るべき基本ルールがあり、回避しなければならないミスをすべて知っています。次に例をあげます。
1) 証券市場にすべてを投資
投資資産を全額、公開市場に割り当てたくなるかもしれませんが、超富裕層は民間市場の重要性を絶対に過小評価しません。真の富は民間市場で見つかる可能性があり、民間企業を直接所有するか、エンジェル投資家(創業して間もない企業に投資する富裕投資家)となり、株式を確保して、投資を行います。
2) 無形資産にこだわった投資
投資キャリアを開始するに当たって、ほとんどの人がまず考えるのは、投資先として一番安全な債券と株式がどれかということです。でも、債券投資と株式投資を行うのは必ずしも最善の考えというわけではありません。
超富裕層は、土地、金、美術品、民間・商業不動産など、有形資産に関心を寄せます。常に長期的に考える超富裕層にとっては、株式は変動が大きすぎます。少額投資家は妥当な投資をするために必要な流動性資産がないため、有形資産を回避します。しかし、市場に直接結びついていない非流動性資産が含まれると、投資ポートフォリオの価値がただちに3倍になる可能性があります。非流動性資産があれば、株式市場の危険な変動と値動きの恐れから解き放ってくれます。
3) EUと米国のみに投資
大半の投資家は、次の投資機会を探すときに、米国とEU企業と株だけを見ますが、超富裕層は、世界の残る地域に非常に多くの機会があるのを知っています。次の最高の投資先を求めている超富裕層にとって、シンガポール、チリ、インドネシアは人気のある投資先の一部でしかありません。
このようなリスクの高い資産は、先進国企業に投資するよりも数倍の価値のあるリターンを約束しており、富裕層はこのような投資をする余裕があります。
4) ポートフォリオを見直さない
すべての投資家に完全な財務管理上の能力が備わっているとは期待できませんが、よく理解しておかなければならない金融上の危険が一つあるとすれば、それはポートフォリオの見直しです。投資は浮き沈みするため、定期的にポートフォリオを見直して、資金配分がその時点でも適切であり、分散しているかどうかを確認します。1つの資産に偏りすぎたり、ポートフォリオの成長をその資産だけに頼りすぎるのは絶対にしてはいけません。成長した後、利益が増え続けると期待して、ポートフォリオの見直しをしない投資家が多いのです。
超富裕層はTrading 101の見直しに対する概念を理解しています。毎週または毎月、定期的に、超富裕層は一歩下がって、自分のポートフォリオの長所と短所を考え、それに応じた見直しを行います。
5) 節約戦略を考えない
ほとんどの場合、アマチュア投資家は金持ちになれる近道を見つけたくて、投資を始めます。ポートフォリオの価値があがるのを目にし始めると、次のステップを作りあげるのは、投資を急激に伸ばし続けるという望みになります。とはいえ、大半の投資家と超富裕層の違いは節約戦略です。超富裕層は常に節約戦略を用意します。どれほど資産がうまく動いていても、変わりはありません。
こうしておけば、資金支出を減らしながら、資金収入を増加させ、財産全体が純益をあげるようになるのです。超富裕層は節約家だとは考えられていませんが、超富裕層の大半は実際には財力に満たない生活をしています。結局のところ、一番大切なのはお金なのです。