投資型クラウドファンディング。何が期待できるのか
by Andrew McGuinness 7月 16, 2019
クラウドファンディングは、プラットフォーム上の新興企業の40%が失敗に終わるという事実を考えると、投資家にとって安全策となることは稀です。当然、50%にも届く多額の年間純利益をあげるチャンスもありますが、これは全資金が水の泡になる可能性とほぼ同じです。
クラウドファンディングは、財政的に安定した経歴を持たない新興企業だけが関与しているため、良い投資になるかどうかを予測するのがさらに難しいのです。こういった事実があってもまだ投資型クラウドファンディングに関心があるのなら、注意すべき2、3のポイントを下記に挙げます。
1. 正しいプラットフォームに決めることが基本
投資に使うプラットフォームは、必ず 金融行為監督機構の認可を受けているものにしてください。例えばSeedrsと Crowdcubeは、投資が安全な状態であることを保証した公的なクラウドファンディング・プラットフォームです。
2. 署名するときは、全てを信用しない
人は署名する前に、その前の項目をよく読まないものです。特に近年はその傾向が強くなりました。初めてウェブサイトを訪れ、署名するものがほとんど重要でないと思い込んでいるなら、見直すことなく署名してしまうでしょう。
しかし、ことクラウドファンディング・プラットフォームに関しては、注意しなければなりません。例として、投資家がプロなのか、裕福な一個人なのかを質問してくるフォームが存在します。本当のことだと確信せずにサインをしてしまえば、もはや金融行為監督機構の保護を受けられなくなってしまうのです。
3. 情報に隠れたメッセージがあるかもしれない
目を通すものに注意してください。慎重に、利用可能な情報のすべて、文章のすべてを、時間をかけて読み取りましょう。新興企業に関しては、通常あまり多くの情報はありません。利用可能な情報は、最長でも1、2ページの長さで、市場の他社と違う点や、その企業のミッションなどが盛り込んであります。もしその新興企業の情報がプロフィール上で1ページにも満たないなら、それはとても大きな危険信号です。
その企業が、投資を受けて、やろうと計画している情報を充分に提供していないなら、事業に真剣に取り組んでいる、または何かをするだろうと、誰が言えるのでしょうか?他の危険信号は、その企業の将来計画があまりに大がかりで、起こりそうにない場合です。新興企業が調達した投資を使って、正確に何ができるか、どの程度までできるのかということを研究せず、ステップ・バイ・ステップの事業プランを作っていなければ、それをやるまで投資しないでください。
4. リターンは期待しない。少なくともまだ
最大手プラットフォームの多くは、自分たちのサイトのおかげで、どれくらい多くのリターンを投資家にもたらしたかを自慢して宣伝しています。例えばSeedrsは、投資家が年間14.1%のリターンを得て、41.87%が税引き後控除の対象になるとうたっています。しかし宣伝用にプラットフォームが使用する数値は、信用にまったく値しません。例えばSeedrsが使用するこの数値は、現金価値に言及していないのです。むしろ、投資家が利益を上げたかどうかとは何の関係もない、株価の損益についてふれています。
結論
真実はというと、投資型クラウドファンディングは、熟練投資家でさえも、かなり用心しなければならないものなのです。注意すべき警告サインや、企業やプラットフォームが投資家を引きずり込んで利益を得るようなしかけが、数多くあります。一番大切なのは、クラウドファンディングのリサーチを行うときか、投資をする前に、すべてが完全に見せかけ通りではないのだと、肝に銘じておくことです。