なぜ最後の取引が最も重要なのか、その2つの理由

取引の基礎知識コースで以前、こんなことを聞いたことがあるかもしれません。つまり、あなたは最後の取引と同程度にすぎない、と。それは脅迫的で、手厳しく聞こえるかもしれませんが、トレーダーが最後に行った取引は、トレーダーとしてだけでなく、人としても両方の面で、そのトレーダーについての多くのことを明らかにします。

トレーダーが最後に行った取引で敗者に終わり、前回の損失を出した取引よりも大幅に上回る損失を生じさせた場合、それはすでに警告が促されています。もし、損失が前回の損失を出した取引と同じ範囲にある場合は大丈夫です。なぜなら、ある程度の規律と準備のレベルを示しているからです。同じ考え方は、勝利をもたらす取引においても当てはまりますが、それほど厳しくありません。

トレーダーにとって、勝利をもたらす取引は、どれだけ取引にリスクがあったかという関係で、どのくらいの利益が得られたのかという多少の多様性をもつべきです。数回の非常に小さい勝利と、いくつかのかなり大きな勝利がある場合は、より厳しい警告が忠告されています。

トレーダー業との関連で、このことを検討してみましょう。

1)　最近の取引が自分の考えに影響する

最新の先入観こそが、取引では非常に現実的なものであり、トレーダーによって積極的に抑える必要があるものです。最後の取引が最も重要である理由は、次の取引に入る考え方を決定するからです。最近の取引で勝利しようが損失を出そうが、次の取引が良いものか、悪いものかになるにはまったく影響を与えません。

優れたトレーダーになるための自己コントロールの意味とは、取引に勝ったか負けたにかかわらず、計画がしっかりと準備されていて、どれだけ上手くそれに従ったかが取引の最も重要な部分となることです。このことは、多くのトレーダーが忘れているもののように思われます。

連勝と連敗のメンタリティーがあり、それは一目瞭然です。連勝の先入観は、トレーダーを「絶好調である」と信じさせ、本物でない自信を与え、そして気が付いてみると、もっともっとリスクの高い賭けをしていることです。これがいかに速く間違った方向に進んでいくかは明らかです。

同じことが連敗のメンタリティーにも当てはまります。自信の喪失は、しばしばトレーダーが、すでに持っているよりも多くを失うという恐怖から、はるかに低いリスクをとることにつながります。これは、危険度が低いほど勝利を収めることが難しく、自信を更に失わせるため、危険な将来に転げ落ちるための迅速な方法です。

2)　最近の取引は自分の思考を改善するべきである

取引の先入観を回避する能力は、考え方とトレーダーとしての職業の理解に依ります。一連の損失は大した問題でなく、いつも明日があると、他の人が話したとしても、立て続けに、たくさんの取引で負けたばかりの誰かにとってそれを聞くことは難しいことです。しかし、それは真実なのです。

ギャンブルや通常のスポーツには、「ティルト」(心理が動揺した状態)と呼ばれる同様の現象があります。ますます損失を出す傾向に陥ることは簡単で、それは単に人間の本質であり、毎日何千人ものトレーダーに起こりうることです。優勝したスポーツ選手が、1試合を失っても他の全ての成果を無効にするわけではない、と理解する必要があるように、トレーダーも1つの取引が全く重要ではないことを理解する必要があります。

大事なことは、四半期または1年の終わりの成績です。勤勉なリスク管理、適切な取引戦略、加えて、全ての取引に対する行動計画を持つことは、長期的に勝つための鍵となります。統計的に言えば、全ての取引は50％の確率で勝利または損失となる可能性があります。1年分に値する取引の観点から1つの取引を見ることは的外れです。

上手くいかない取引の後でトップに出るのは、考え方の問題です。連敗の後でトップに出るのは、規律と不屈の精神の問題です。もし、みなさんがそれらを欠いているなら、より良くなるように自分自身を訓練してください。