仮想通貨とソーシャルメディアの共通点、そしてブロックチェーンはどう生き残るか
by Andrew McGuinness 7月 16, 2019
熟練投資家、分析家や専門家の多くが、ビットコインは一時的なブームであり、遅かれ早かれ消失するという意見に賛同しています。ビットコインのビジネスモデルは法定通貨を基本としており、メディアの注目が続く限り、そこにあり続けます。この誇大広告が終わればすぐに、ビットコインも終わるでしょう。仮想通貨やブロックチェーン技術の基礎知識をリサーチしたなら、ビットコインは一時的な流行かもしれないが、そもそもそれを可能にしたブロックチェーン技術はここにあり続け、その過程で多くの産業を形成するということに、すぐにお気づきになるでしょう。
ブロックチェーンは私たちの世代における最も革新的な発明で、新種の起業家を生み出すことでしょう。多くの意味で、ビットコインとMySpaceやFriendsterを比較でき、ブロックチェーンそのものをFacebookやTwitterと比べられます。熱狂的人気となり、その後すぐに消え去ってしまう最初のものでなかったとしたら、その継承者は今日のような成功を成し遂げていなかったでしょう。ビットコインとブロックチェーンも同様です。ビットコインは世界のMySpaceで、ブロックチェーンはFacebookとなるでしょう。
この類似性を使うなら、なぜブロックチェーンが仮想通貨より長持ちしているかを探る必要があります。ブロックチェーンのどんな性質が、Facebookと似通っているのでしょうか?
1)透明性
ブロックチェーン技術の最も大切な部分の一つが、情報の全面開示です。特にブロックチェーンの開始以来、何千というブロックチェーンユーザーが、全取引を記載した台帳を維持しています。台帳には全ユーザーの取引詳細が載っており、技術的に全員に閲覧されることが、ブロックチェーンの一部なのです。
この透明性が、他の多くの産業にブロックチェーン技術を適用可能にしています。すべての取引がモニターされ、何も隠せないことが、ユーザーによって信用度を確立し、危害を加えようとするハッキングから保護しています。全体的にICO(Initial Coin Offering)をここまで成功させているのも、まさにこの透明性です。閉ざされたドアの向こうに多くの情報が隠されている、他の多くの市場とは違って、投資家が仮想通貨に何が起こっているのかを正確に見ることができるためです。
2)経済的なコントロールと独立性
私たちは社会として、これより上手く言いようがありませんが、銀行や金融機関に頼っています。家に資金を安全に保管できる人は皆無です。銀行は絶好のタイミングで、付き合うのに苦痛となり得ます。銀行の時代遅れのポリシーと脆弱な顧客経験にも関わらず、銀行と付き合う他に選択肢がないからというのが、銀行がまさに存在している理由なのです。私たちの経済的な決定への銀行のコントロールは大きな影響を与え、外国為替相場から個人口座の最少預金額、取引手数料に至るまで、指図してくるのです。
銀行の判断で顧客の資金を喪失したことは、以前にあったことです。この件に関して素晴らしい例となるのが2008年の不動産バブルの経済的大崩壊で、学生ローンのバブルがはじけたとき、専門家の多くが、同じシナリオ通りになるのではないかと予測したのです。
銀行は毎年、ハッカーの大活躍で膨大なデータ量の漏洩が起こっています。ブロックチェーンは実質上ハッキングができないため、資金を保護するのにより安全な選択肢です。仮想通貨をオフラインで保管できるウォレットも最近は出てきており、ハッカーに個人情報を盗まれることが絶対にありえないよう保護してくれます。
3)取引手数料
取引手数料は、私たちの選択肢がないのをいいことに、銀行および他の金融機関が利益を得る最大の儲け手段となっています。こうした取引手数料は個人レベルでは少額かもしれませんが、何百万レベルで取引する企業にとっては、すぐに損失を被りかねません。こうした手数料は、企業の設立というもっと良い用途があるかもしれないのです。ブロックチェーンは銀行の必要性なく、安全で簡単な取引を可能にすることで、この分野でも役立てるのです。