FX市場を動かす3つの感情
by Andrew McGuinness 7月 16, 2019
FX取引は初期の投資戦略と資本利得の可能性に、それぞれ異なる膨大な数の機会を提供します。どのタイプの市場にいる投資家とも同じく、FX取引市場の投資家は、何が市場を操作し、動かし、異なる通貨と文化の知識をもって、どのように最大の利益を得られるかを知りたがっています。株取引では、投資を決めた企業について、政治データや企業報告書などを見ればすぐに情報を得られますが、FX取引の投資では、それよりもう少し多くの挑戦が必要になります。一見すると、通貨の価値と変動に影響する無数の要因があるように見えます。なぜなら、ある国の通貨を購入するときというのは、その国の可能性と国民の力をあてにするからです。世界で最も価値があるとされる「四大通貨」、つまり米ドル、英ポンド、ユーロ、日本円の4つと、時間の経過とともに変動してきたその国の通貨価値を示すグラフやチャートを簡単に比較することで、その国の経済的な構図について、多くを語ることができます。
FX取引が人々の可能性に投資することに関連しているため、FX市場では感情が特に大きく左右されます。日々、巨額のお金(ほぼ2兆円に上る)がFX取引システム上を出入りする一方、真実はといえば、トレーダーや投資家たちの感情が市場を大きく動かす、というわけです。FX取引システムの動きをコントロールする3つの感情は、下記のとおりです。
貪欲さ。緑の目をした怪物が、経験のあるトレーダーや技術的なトレーダーたちの目を、間もなく通貨が暴落したり、暴騰しそうなサインから逸らさせるのです。ある通貨ペアが特にいい調子であるときに、通常、貪欲さが通貨価値への興奮を誘い出します。残念ながら、それはまた直後の暴落や価値の下落を引き起こす原因となります。貪欲さが理性ある取引感覚を越えてしまったとき、多くのトレーダーがすべてを失ってしまうのです。
恐れ。困難に見える状況のとき、損失への恐れが、多くのFXトレーダーたちを「離脱」させます。ある国が戦争に向かうとき、これまでと違う政党が当選したとき、または国内主力の企業が海外へ移転することを発表したとき、通貨価値は通常、下がる結果となります。トレーダーが、通貨資産をもっと安定した保証のあるものへと移してしまうからです。
希望。もし、ある通貨が過小評価されているとしたら、そもそもどうしてトレーダーはそんな通貨を保有し続けるのでしょうか?答えは簡単な一言に収まります。希望です。人々の繁栄への希望と逆境が、時には膨大な利益となり得ます。例として韓国を挙げましょう。数十年間、この国は第三国と考えられていました。北朝鮮との何年にも及ぶ朝鮮戦争で、貧困にあえいでいたからです。この時代には、韓国ウォンは基本的にほぼ無価値でした。しかし80年代になり、サムスンやヒュンダイといったハイテク企業が韓国を経済先進国の仲間に推し進め、大規模な躍進を遂げました。韓国の人々を信じ、朝鮮戦争で価値が低かったときのウォンを手放さなかった人たちが実質上、一夜にして億万長者になったのです。
できるだけ感情を取引に持ち込まないように、と多くのトレーダーが言いますが、上記のよくある3つの感情を排除するのは、FX取引の分野ではほぼ不可能です。では、何がFX市場を動かすのでしょうか?一言で言うなら、心理学です。