通貨危機はなぜ起こるのか
by Andrew McGuinness 7月 16, 2019
ここ数年、世界は多数の通貨危機を経験してきました。米国、スペイン、ギリシャが直面する問題は、特に際立っています。危機の時にこれらの国々の不安定さに焦点を当てたニュースの数の多さを考えるだけでもそのことはわかります。
2009年の深刻な通貨危機を最初に目撃してから、何百万回も「危機」という言葉を聞いています。それ以来、その意味はそれほど強くなくなっているようです。ある言葉を頻繁に使用すると、それはありふれた言葉になってしまいます。
しかし、発生頻度が増えたため、通貨危機はありふれたものになったにもかかわらず、依然として、非常に深刻な問題です。軽く取るべきものでなく、できれば決してそうあってはならないのです。通貨危機が国民の生活にどのように関わり、影響しているかわかっていても、危機の原因が実際は何であったかを耳にすることはありません。以下は、上位4つの通貨危機の原因となるものです。
1. 通貨価値の下落
国の通貨価値の下落は、実際には、通貨危機に向かって着実に低下しているように見える状況の第一歩です。ドミノでバランスがくずれた時と非常によく似ていて、ドミノでは、間違いを1つ犯すと、その近くにある全てのドミノが不運なことに倒れてしまいます。ある通貨の価値が下落すると、為替レートは安定性を失います。通貨価値が下がれば、これまでと同じ金額で通貨を購入できないためです。
そこで、な為替レートが不安定になれば、この通貨の価値が低いままとなることが恐れるようになるため外国為替トレーダーにマイナスの影響を与えます。その結果、予測されるように、トレーダーはその国の経済からお金を取り戻す「資本の逃避」と呼ばれる行動を取ります。問題は、トレーダーがお金を取り払い、国内投資を外貨に交換すると、為替レートは更に低下するという不運につながることです。ブラジル、インドネシア、トルコなどの国々はこの経験のおかげで経済は特に安定したとはいえない状態です。これらの国は新興市場と呼ばれています。
2. 借入
為替レートがますます低下してトレーダーがお金を取り払い、他の通貨と交換した結果、国にできる残された手立ては、為替レートを上げ、トレーダーを取り戻すため、国にできる残された方法は、借入しかありません。
しかし、これは見た目ほど簡単でも、予測可能でもありません。時には、借金をしても為替レートに大きな変化はなく、トレーダーが資金をもって帰ってくることもないのです。このような状況が起きた場合、その国の為替レートは低く、トレーダーからの関心を失うのに加えて、借り入れた国に対する負債を抱えることになります。
3. 経常収支赤字
経常収支赤字の原因は、他国からの輸入品と同等の金額の商品、あるいは同等以上の価値のある商品を輸出できないことが原因です。ある国が、隣国から受け取った商品と同じくらい価値のある商品をその隣国に提供できない場合、経常赤字となります。
つまり、商品の取引で受け取っている以上に多くの出費を行っていることになります。この赤字を埋め合わせるには、例えば、資本勘定などに余裕をもたせる必要があります。