買われすぎおよび売られすぎレベル – 神話または現実
取引プラットフォームは、個人トレーダーが使用できるトレンド指標とオシレーターを提供します。経験からいくと、主要チャートに表示される指標はトレンド指標です。トレンドを追い、トレーダーがディップ(押し目。上昇トレンドにある価格の一時的な下落)で買うか、スパイク(瞬間的に突出した高値・安値)で売る助けをしてくれます。
トレンド指標以外にも、テクニカルトレーダーはオシレーターを使います。オシレーターへのニーズがでるようになりました。トレーダーは絶えず、天井と底値を見つけ出そうとしているからです。
きわめて好調なトレンドの最中でも、様々な理由で人はその動きを疑うのは想像がつきます。昨年のEURUSDの上昇を例にとってみましょう。
この通貨ペアは、1月に始まり、12月に高値をつけて終了するまで、年間を通じて上昇しました。とはいえ、大きく上昇(1.05から1.20への動き)している間も、ユーロに対するコメントはほとんどがネガティブなものでした。
欧州中央銀行(ECB)を始めとして、誰もが様々な理由をあげて、ユーロは下落すると語りました。
- -南欧は多額の赤字をかかえている
- 生き延びた通貨同盟などないのだから、ユーロは長期的には有望ではない
- 連邦準備制度(Fed)は利上げをするが、ECBはしない。よって、金利差でユーロが下落するだろう
- ユーロ圏のインフレはまだ非常に弱いなど。
取引を減少させ、よい練習を減らす理由をあげるのは簡単です。でもチャートと戦っても、取引口座のためになることはなにもありません。
そのため、個人トレーダーは主流の方向に突き進む(FX市場全体における個人取引の規模は非常に小さいものです)か、その通貨ペアを避けます。疑わしい前提に基づき調査を行い、口座のテストをすると、高い代償が発生します。
テクニカルトレーダーは市場が作り出す偽の動きの見当をつけたいために、オシレーターを作りました。そのため、どんなオシレーターでも(そしてトレンド指標でも)、値を表示する前に複数の期間を考慮します。
さらに、トレーダーはオシレーターを使って取引をする複数の戦略を使います。最も人気のあるオシレーターの一つが、買われすぎと売られすぎのレベルを示す事実に基づくものです。
したがって、簡単な稼げる方法は、買われすぎの領域で売るか、売られすぎで買うことです。うまくいかなくなる可能性があるのは何でしょうか?
何もかもです。FX取引では、誰もがこのアプローチを知っています。
しかし、個人トレーダーはほぼ船員、初めて入金した額を失います。何かが間違っているにちがいありません。そうではありませんか?
RSIを使った買われすぎと売られすぎのFX取引
RSIはRelativie Strength Index(相対力指数)の略で、それを使って、買われすぎと売られすぎという視点とダイバージェンス(逆行現象)という観点の両方から、FX取引がどのように動くかを説明しました。
リマインダーとして、市場が範囲内のときは、買われすぎおよび売られすぎのアプローチはただうまくいきます。トレンドができるときは、それは負けるアプローチです。ダイバージェンスでさえも、非常に強力なトレンドではうまくいきません。
EURUSD強気トレンドが上で表示される理由は、そこから何らかの結論を引き出し、他の同じトレンドで利用できるかどうかがわかるからです。買われすぎの領域での売りが、あのすばらしい強気の期間中のEURUSDペアにどのような効き目を及ぼしたかをみていきましょう。
4回連続した取引で、買われすぎの領域での売りが悲惨な結果となりました。こちらによい見通しをあげます。
買われすぎの領域での売りを何と言えるでしょうか?一つだけ確かなことがあります。この場合はうまくいきません。したがって、トレンド相場では、買われすぎの売りまたは売られすぎの領域での買いは単なる神話です。FX取引の実情ではありません。
以下にAUDUSD4時間足をあげます。この通貨ペアは強力な強気トレンドで動いており、買われすぎの領域で売りとなる機会はさらに多くなっています。
とはいえ、すべての弱気シグナルは誤りであることが分かりました。逆に動けばどうなるでしょうか?結局のところ、売りアプローチは誰もが知っているものの、それでも損失を出しているのであれば、逆のやり方をしてみればどうでしょうか?買われすぎの時に買ってみるのはどうでしょうか?どちらの場合も、これまでのところ、すばらしい決断となっています。とはいえ、強力なトレンドを定義する方法はどうやればわかるのでしょうか?
ルールが助けとなります。鍵は、両方のケースで形成されたものまたはパターンをチェックし、将来の同じパターンで取引を行うルールを定めることです。
EURUSDとAUDUSDの両方の場合で、RSIはもう30未満を切ることはありませんでした。強気の期間が続くかぎり、RSIは売られすぎにはなりませんでした。
したがって、売られすぎ領域がこないかぎり、売りは買いに変換します。RSIが30未満のレベルに低下した時から、この戦略の効果はなくなります。弱気トレンドを示します。
FX取引で他のオシレーターを使用
経験からいくと、すべてのオシレーターが示すことは大なり小なり同じです。どうやって取引の早期エントリーをするかということです。または、できるだけ早く相場の反転を見つける方法を示します。トレーダーは人より先んじたいと願うもので、ほんのわずかな競争力を得るためには何でもします。
FXトレーダーの間で人気のある他のオシレーターを考えてください。
- ストキャスティックス。買われすぎと売られすぎの領域を示す二つの線は80超および20未満です。売られすぎの領域のスローストキャスティックスよりもファーストストキャスティックスが上を横切る時に、トレーダーは買います。そして、買われすぎの時は逆を行います。売ります。それはうまくいくでしょうか?いいえ。個々の戦略としては、うまくいくよりも失敗するほうが多いでしょう。
- デマーカー。RSIと同様に、70超および30未満の買われすぎと売られすぎの条件を示します。古典的な解釈でうまくいくでしょうか?いいえ。うまくいくよりも失敗するでしょう。
- CCI。商品チャンネル指数(CCI)はすばやく転換することで有名です。プラスの領域でもマイナスの領域でも移動し、買われすぎの値は100を超え、売られすぎの値は-100を下回ります。以下のチャートをチェックして、標準的なアプローチがうまくいくかどうか、自分自身で結論をだしてください。
デマーカーオシレーターが表の一番下に表示されており、同じEURUSD日足チャートに適用されました。売りを示す矢印は買われすぎレベルと売られすぎレベルの古典的な解釈に属します。これ以上のコメントは不要です!
ですが、RSIの場合と同じ戦略を適用するなら、その反対と同じように、売り変わりに買えばどうですか?結局、よくなる見込みがあるのなら、どうでしょうか?
結論
新たなことを試すのを恐れないでください。こうやって人類は進歩したのであり、テクニカル分析も進化したのです。
ちがう考え方をしてください。新しいことを試してください。そして、ほとんどの場合にうまくいくかどうかを見てください。
FX取引の至高の目的は、まだ現れていません。誰かにそう信じさせられたのであれば、よく考えてください。
むしろ、失敗するよりも勝てるまっとうな戦略は、適切な資金運用ルールを使い、収益性をあげることかもしれません。一つ確かなことがあります。指標の使い方を誰もが知っていながら、ほとんどの人が失敗するのであれば、そのアプローチは大きな疑問符がつきます。そうですよね?
テクニカル分析ではこのような見解にみちています。しかし、だれも、市場の変化を間に合うようなタイミングで検討できる人は誰もおらず、古い戦略はもはやうまくいかないかもしれません。
戦略を試す時に、売り側の見解を持つトレーダーもいます。たとえば、ある通貨ペアの過去6ヶ月の状況を遡って検証します。
そして、丸一年間を検証します。または2年以上!
結論を言うと、戦略は失敗しません。過去の事例に倣って、下落すれば買うでしょう。ああ、でも、それは多くのレベルで大きな誤りです。
過去データの検証の対象となる時間枠全体で、市場が縮小するか、同じ状況が続くのであればどうなるでしょうか?そして突然、均衡が崩れたときに、システムはうまくいかなくなります。
つまり、永久に機能するシステムはありません。リスクと報酬には微妙な差があり、すべてのトレーダーは取引で異なるアプローチをします。忍耐と規律は、取引戦略と同じぐらい重要です。
生活の糧を得るための取引をするときには、このすべてのことが全体的な収益をあげる上で重要となります。誰かに戦略、理論、指標などの使い方を言われた時には、その言葉を当たり前のものとおもわないでください。チェックし、状況にあわせて変化させ、資金運用をそれに当てはめ、それから試してください。
それがFX取引です。それがすべてです。