FX取引:中上級レベル

中上級
Trading101
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Duration 20 時間

中国とその他の世界:FX取引の意味合い

名目上GDP世界第二位の中国は、金融市場で非常に重要な役割を果たしています。中国は世界の製造業者とも呼ばれ、中国経済に起こることは、世界中のトレーダーにとっても関連してきます。

中国元が自由に流通できる通貨でないにも関わらず、中国経済または中国経済の動向は、FXダッシュボードにも非常に大きな意味合いを持ちます。

過去30年間で毎年10パーセント超という金利成長で、中国経済は空前の拡大をここ数十年で謳歌しています。与党の中国共産党は海外投資に門戸を開き、そのことが、世界中のリーディング企業の、中国の莫大な可能性を見込んだ投資につながっています。

将来的な市場が非常に大きいために、中国市場への参入にはどんな努力でさえも厭わないのは自然なことです。しかしながら、文化の違いと比較的不安定な経済状態から、中国市場はリスクにも耐えています。

直近の計測では2%少々を超えたインフレ率で、中国は毎年、貧困者をできるだけ貧困層から脱出させようと骨を折っています。これは数十年間で素晴らしい前進を遂げたものの、人口の11%以上がいまだに毎日3.1ドル以下の暮らしをしています。

それでも広大な国土面積を持つ中国の経済は、世界経済に大転換を起こす可能性があります。FX取引もまた然りで、中国が極度の変動の原因となっています。

中国の株式市場

最近になって世界に門戸を開いたため、中国経済に投資をするシンプルな方法は、株式市場で直接中国株を購入することです。

ただし、取引アカデミーの前の記事でご説明したように、世界の証券取引所は、現金融システムの仕組みをもとに、高い相関度を謳歌しています。

そのため、米国の株式市場の敗北が、中国の株式市場に影響を及ぼす可能性も濃厚です。逆の関係についても同じことが言えます。中国の主要な証券取引所(上海と深圳)が苦境に立たされれば、世界中の証券取引所にネガティブな影響を与えます。

FX取引では、このことでトレーダーがシェルターまたは安全な避難先を探し求めることになります。こうして、トレーダーはスイスフランか日本円、とりわけ日本円を買うでしょう。

ほとんどの人が気づいていませんが、中国のGDPの2%という成長率は、実は金融サービスによるものです。製造業が盛んなことで知られている中国は、中国全体のGDPにおける金融サービスが、ここ数年間で飛躍的に伸びることを予測しています。

中国・オーストラリア間の関係性の説明

中国の第一産業は鉱業(選鉱、アルミニウム、鉄、石炭)、機械製造、織物などです。これらのほとんどが、世界の別の場所から輸入される原材料に依存しています。

中国の最大商業上のパートナーの1つがオーストラリアです。毎年、30%超のオーストラリア産原材料が中国に渡っています。

そのため、中国経済の動向は、オーストラリアの経済と、その通貨である豪ドルの価値に影響を及ぼします。

従って、豪ドルを取引する誰もが、中国経済とその動向に目を向けなければなりません。しかし、そこには問題もあります。

データが信頼に欠けるという点がそうです。中国政府が所有して作成するデータであるため、その正確性には大きな議論が巻き起こっています。

とはいえ、公的な数字が現実を反映しているわけではありません。国際的な監視機関が、さまざまなチャンネルを使って中国のデータを独自に計算し、中国経済データに関心のある企業に向けて、そのデータを商品化しました。

それ以外にも、注目すべき経済情報の発表は、他のどの国の経済とも同じようなものです。つまり、インフレ、小売、国内総生産、失業率などです。

また別の問題は、中国の経済データのほとんどが週末にかけて発表される点です。そのため月曜のFX取引が始まると、豪ドルの通貨ペアで大きなギャップが生じる原因となります。

ロジックは次のようになります。中国経済がうまく回らなければ、オーストラリアの商品(原材料など)への発注も減少します。よって、オーストラリア経済も動きが鈍くなり、即座に豪ドル取引の価値も低下するというわけです。

中国元

中国元(CNY)は、米ドルに対して変動相場制をとっています。最近多くの人にショックを与えた動きは、中国が米ドルに対する中国元の価値約2%を見直したことでした。

それ以来、中国元は日々最大0.5%の変動を見せています。言い換えると、米ドルに対して中国元(別名、人民元)はどの日であれ、変動は0.5%を超えられないということです。

まさに、これが中国人民銀行(PBOC:People’s Bank of China、中国の中央銀行)が、中国経済に出入りする不均衡の統制方法として選択した方法でした。そのため、中国元は今日のFX取引、少なくとも短期の投機目的としてのFX取引には、関心を示していません。

しかし投資としては、中国元は従来の自由流通通貨から多様化するべく、多くのポートフォリオに選ばれる1通貨です。最も著しいのは、IMF(国際通貨基金)です。

この規制の全てに関しては、2013年末、中国元が世界で最も取引される第8位の通貨となりました。そして、中国経済の動向と全分野における莫大な前進を認識するサインとして、IMFが中国元をSDR(特別引出権)に追加しました。

中国人民銀行の金利決定

中国人民銀行は、世界でもっとも情報を隠したがる中央銀行の一つです。金融政策の変更と発表は、世界の他の中央銀行が一般的に行う方法に従っていません。

その代わり、中国人民銀行が中国元の金利を上げ下げする旨のシンプルな発表を目にするでしょう。または、中国人民銀行の金利緩和または引き締めプロセスを開始したことや、2015年に中国経済が鈍化した際に、人工的に数パーセントを下げたことを目にしたことでしょう。

中国人民銀行は世界の他の商業銀行と同様、準備金のほとんどを金のように本格的な資産として保有しています。近年では、中国の金の保有量と購入時のレートを誰もよく知らないにも関わらず、中国人民銀行は金の購入量を増やしました。

国際準備金が米ドルであることから、中国人民銀行はその主要な購入者であり保有者です。中国人民銀行は米政府の米国債を買っているため(負債でデフォルトしない限り、現金と同様に良い価値がある)、米国の赤字額に貢献する主要な存在となっています。

よって、連邦準備制度の金利政策や、最近の米国政権の脅しによる取引政策をもって中国を混乱させることは、複雑な事態を招いてしまいます。米国債の購入をやめるだけで、中国は世界最大の米国経済に多くの不安を創り出す力を持つからです。

結論

すでに明確だったことかもしれませんが、この記事は世界経済においての中国が意味するところと、FX取引にどう影響するかを指摘した内容となっています。

その国土面積と政策のため、将来は大いに不明なままですが、多くのエコノミストたちは、中国経済と中国元の素晴らしいサクセスストーリーを予測しています。

もしそうだとすれば、中国経済は表舞台に現れ続けるでしょう。確実に分かっていることは、中国経済が風邪を引けば、全世界がくしゃみをするということです。

大きな金融政策の転換の前に、各国が自国の政策に正式な認可を与えるかどうかを見るために、世界の中央銀行がまず中国経済に何が起こっているかを確かめます。そのことがFX取引の重要性と、世界の政策に中国がどう影響するかを大いに物語るのです。