FX取引:中上級レベル

中上級
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

ガートレーおよびハーモニックが始まった時

ガートレーパターンは、金融市場で最もパワフルなパターンだと信じる人はたくさんいます。FX取引でも心から支持されたのは不思議ではありません。

その利用範囲に関する視点を提供するため、どんなチャートでもガートレーパターンをみつけ、それが形成される時にアラートをだそうと、トレーダーはアクティブな指標の形でEA(エキスパートアドバイザー)を構築しました。とはいえ、取引の前に、ルールとFX取引における最大限の活用方法を知る必要があります。

エリオット波動理論とまったく同じように、金融市場におけるガートレー法またはアプローチは両方とも、同じ時期にあたる1900年台半ばに誕生しました。従って、主に株式市場と他の2~3の商品市場で取引が行われた時の西洋式テクニカル分析アプローチに属します。

使われるツールにはもう一つ類似性があります。エリオット理論もガートレー理論もフィボナッチ比率を大いに活用します。

さらに、時間と共に、様々な市場の現状に適用するように、当初の条件に適用する熱心なフォロワーが、エリオット理論とガートレー理論の両方を取り入れました。

すべてがどのようにはじまったかを以下に記します...

ガートレーと「株式市場における利益」

1899年ニュージャージーに生まれたハロルド・ガートレーは、本物のエコノミストで、ニューヨーク大学よりMBAを取得しました。ガートレーが魅せられた金融市場と群集心理が、その取引理論の核心となりました。

何年も、金融市場で働きながら、ガートレーはテクニカル分析を教え、レクチャーを行いはじめました。最終的には、すべてを「株式市場の利益」という名のコースにつめこみました。

ガートレーのテクニカル分析への貢献は他の分野にも及んでいるとはいえ、今日まで、このコースはあいかわらず、ガートレー最高の作品の一つです。このコースに求められた価格(1900年台半ばで1500ドル超)から判断すれば、ガートレーの見識が金融界にどれほど貴重なものかが分かるでしょう。

たとえば、ガートレーの仕事は移動平均線、ダウ理論への貢献、トライアングルなどに及びます。しかし、ガートレーの名声は結局、立証した最もシンプルなパターンであるガートレーパターンによるものでした。

ガートレーパターン

ガートレーパターンの長所と今日のFX取引で今なお機能する理由は、そのパターンが提供する優れたリスクリワードレシオによります。取引設定のおかげで、相当なリスクリワードレシオとなる時はいつでも、トレーダーがそのレシオのマスターに専念する必要があります。

ガートレーの考えは、何がトレンドの一般傾向であるかから始まりました。 たとえば、弱気トレンドでは、市場では、一連の安値の切り下げと高値の切り下げが続きます。

この切り下げが続く限り、強気傾向にできることはあまりありません。そうなるのがオリジナルのガートレーパターンのA-Bの部分です。

突然、反発が起こり、前の安値が高くなります。それがB-Cの部分で、ガートレーパターンが形成されている可能性があるということが確認できます。

これが発生すると、通常は、トレーダーはショートポジションを取り始めます。リマインダーとして、FX取引とどんな種類の取引でも、すべてのポジションは最後に手じまわなければなりません。

たとえば、ロング(買い)とし、市場が上昇する場合は、利益をあげるために、ポジションをクローズする必要があります。そうする時は、最初の買い注文を売るか、手じまいし、差額が利益となります。

ショートカバーの場合も同じです。ショート(売り)は値動きを楽しみ、今や、ショートポジションを手じまいする買いで、利益を予約しています。ショートカバーが終わりに近づくと、B-Cの部分も終わります。

ガートレーによるとわずかな低下が続きますが、ポイントBの下値は維持される必要があります。後で弱気が起こるか、トレーダーが様々な理由で市場に留まりたいと願うため、小さな下落があるかもしれません。

それを考慮すると、取引設定は次のようになります。

  • B-Cの部分の38.2%~50%のリトレースメントでロング(買い)で参入
  • Bレベルの底でストップロス
  • オリジナルのA-Bの部分の61.8%のリトレースメントがターゲット

強気トレンドでは、アイディアは同じままで、違いはトレーダーが通貨ペアのショート(売り)に目を向けるという点だけです。

したがって、取引設定は次のようになります。

  • B-Cの部分の38.2%~50%のリトレースメントでショート(売り)で参入
  • Bレベルの頂点でストップロス
  • オリジナルのA-Bの部分の61.8%のリトレースメントがターゲット

このような金融市場へのアプローチは簡単そうにきこえるかもしれませんが、この場合も、焦点となるのはこの記事で最初に書いた記述と同じです。ガートレーのオリジナルパターンは、1:2.5または1:3以上というすばらしいリスクリワードレシオを提供します。

ロボットがどんな日でも値動きを支配しているにもかかわらず、このようなリスクリワードレシオはFX取引にもあてはまります。FX取引は確率のゲームであるため、リスクリワードレシオにより、口座の成長を続けながら、損失を引き受けることができるようになります。

今日のFX取引におけるオリジナルのガートレーパターン

多くのトレーダーは、エリオット波またはガートレーアプローチのような理論が今日のFX取引でうまくいくかどうか疑問に思うでしょう。この理論が群集心理を取り上げているため、実際に今でも効果をあげています。

2018年4月に起こったEURUSD の最近の値動きを例にあげます。そこにほぼ4分の3世紀前にハロルド・ガートレーが述べたものと同じルールを当てはめます。

EURUSDが明らかな弱気トレンドで値下がりします。次にやることは、トレンドを定義する一連の高値の切り下げを特定することです。

次に、市場がブレークし、B-Cの部分となるのを待ちます。ショートカバーであることを覚えていますか?

オリジナルのガートレーのラベリングを使うのであれば、このEURUSD 2018チャートは次のように表示できるでしょう。

A-Bの部分とB-Cの部分が存在する時、トレーダーは通常、B-Cの部分の31.8%~50%の間にくる値下りに集中します。この場合、31.8%にはめったにならないものですが、実際にはそうなりました。

オリジナルのガートレーの設定によると、このFX取引シナリオでは買い注文を出す時は、値下りの時に参入します。時には後退がはるかに強くなり、50%、または61.8%を超える値にさえなりますが、そのためにストップロス(A-Bの部分の終わり)が無効化されることはありません。

最後に、利食いを設定しましょう。この場合はフィボナッチ・リトレースメント・ツールを使って、A-B全体の長さを測定し、利食いを見つけます。

この場合、リスクリワード設定は1:3のレベルにならず、1:2をわずかに超えただけでした。しかし、明確な資金運用ルールのある健全な取引には十分です。

結論

ある概念または取引理論が古いというだけで、それが現在の金融市場でうまく機能しないというわけではありません。ガートレーまたはエリオットが将来どうなるのか、または2018年にどのようにオンライン取引が市場の機能を作り出すのか知っていたかは疑わしいです。

でも、上で示した通り、オリジナルの設定は基本的な欲と恐れ、ショートカバーと取引条件を検討しますが、こういったものは今日のどんな市場でもいまだに起こっていることです。

オリジナルのガートレーパターンは、今日、FX取引に携わる個人トレーダーのほとんどが既に知っている通り、ハーモニック取引の基礎です。1970年台に、ラリー・ペサベントはガートレーの原書を新たな側面で見て、いわゆる「ガートレー222」法を導入しました。

さらに後年、スコット・カーニーがペサベントのアプローチを使って、ガートレーをさらに正確にし、さらに多くのフィボナッチ比率と資金運用ルールを導入しました。

とはいえ、どのアプローチが完全に近いかを語るのは困難です。私自身は3つのうちから選ぶ必要は感じませんし、後でできたものは単にオリジナルの概念のバリエーションを提供しただけと言えます。すべて、ガートレーの原書から派生しているからです。

今日のFX取引で知られるパターンは、バタフライ、バット、クラブなどのように、ガートレーのオリジナルのアプローチを自動取引にあてはめようとしただけのものです。残念ながら、プログラマーはガートレーの原書にある単純なルールを忘れていたか、分かっていませんでした。

この記事がテクニカル分析におけるシンプルなパターンの必要性をよみがえらせる助けになればと思っております。シンプルなものこそ、FX取引においても、最高の働きをするのです。