デマーカー指標の発見
高い評価を受けているテクニカルアナリストのトム・デマークは、今でも主要な投資会社にコンサルティングを提供しています。テクニカル分析の分野におけるトム・デマークの業績は、FX取引に関わる全てのトレーダーによって知られています。
トム・デマークが生み出した指標のほとんどは、無料で入手できません。しかし、いくつかは可能で、この記事では、それらの指標をトレーダーにFX取引で使用する方法を説明することを目的としています。
デマーカー指標を使ったFX取引
メタトレーダー4の標準バージョンで、無料で提供されている指標の一つにデマーカー指標があります。チャートが配置されている下部に現れるオシレーターです。
こちらが、デマーカーオシレーターを下部に表示したUSD/CADの日足チャートです。
プラス領域のみを移動するためRSI(相対力指数)に似ています。RSI(相対力指数)を使った取引戦略でさえ、デマーカーを使って取引するときにも機能します。
RSI(相対力指数)の場合は、買われ過ぎと売られ過ぎのレベルが70と30である一方、デマーカーは0.3と0.7の間を移動します。さらに、RSI(相対力指数)のように最大レベルが100である代わりに、デマーカーの最大レベルは1になります。
この2つのオシレーターの違いの1つは、デマーカーがRSI(相対力指数)よりも早く買われ過ぎと売られ過ぎのレベルに達することです。このことを見るための最も簡単な方法は、RSI(相対力指数)とデマーカーの両方を同じチャートに配置し、どちらが最初に買われ過ぎと売られ過ぎのレベルに達するかを見ることです。言うまでもなく、同じ設定のもとでです。
設定に関して言えば、デマーカーオシレーターの標準期間は、RSI(相対力指数)の場合と同様に14日間です。
買われ過ぎと売られ過ぎのレベルを示すオシレーターを使用する時には、トレーダーは、売られ過ぎで買い、買われ過ぎで売ることに焦点を当てます。これは持ち合い状態で非常にうまく機能します。
市場がトレンド状態である時、あるいは、より正確にはトレンドの終盤では、オシレーターは価格から乖離する傾向があります。したがって、トレーダーは通貨ペアを売買するためのシグナルとして、価格とオシレーターの間の強気と弱気のダイバージェンスを利用します。
上記はUSD/CADの同じチャートですが、今回はデマーカーを使用する2つの標準的な方法を示しています。左から右に向かって、オシレーターは前のトレンドの完全な底をもたらす強気のダイバージェンスを示しています。
さらに、右側には、買われ過ぎと売られ過ぎのレベルが、それぞれ売りサイドと買いサイドに素晴らしいエントリーを提供しています。しかし、RSI(相対力指数)との比較を続ける場合は、次のようにデマーカーを使用するヒントを紹介します。通貨ペアを売買する前に、「極端な」買われ過ぎと売られ過ぎのレベルを待って下さい。
極端なレベルとは、0.7よりはるかに大きく、0.3よりはるかに小さい値を意味します。RSI(相対力指数)が80または20レベルに達しにくいところを、デマーカーは簡単に0.8または0.2を超えます。
TDシーケンシャルを使ったFX取引
素晴らしい指標であるTDシーケンシャルは、メタトレーダー4の標準バージョンには付属されていません。しかし、大げさに言うことではなく、簡単なインターネット検索をすれば無料でダウンロードできるサイトがたくさんあります。
TDシーケンシャル、あるいはデマーカー・シーケンシャルとも知られており、単にチャート上にいくつかの数字が表示されます。より正確に言うと、実際のローソク足の上下に数字が現れます。
しかしながら、これらは単なる数字ではありません。特定の論理に従った上下する一連の数字を表します。
ローソク足の下の数字は弱気のトレンドを示し、上の数字は強気のトレンドを示します。
指標は、終値が4本先の終値よりも高い場合、ローソク足の上にある数字を表示します。
上記のチャートによると、青色の数字は、ローソク足が4本前のローソク足より高い終値をつけたことを意味しています。あるいは、これは日足の時間枠なので4日前です。
TDシーケンシャル指標によれば、市場が上記ルールに従う9本の連続したローソク足を形成すると、トレンドは消耗状態に達します。そのため、数字9はより大きな文字で強調されています。
上記のチャートをよく見てみると、USD/JPYの日足チャートに数字9が表示されたのは2回のケースだけでした。つまり、2018年の1月から2018年の7月(半年)の間、TDシーケンシャルは2回のシグナルのみを表示し、両方とも強気であったことを意味します。
チャートの右側に表示されているものは、その相場の戻しの底をほぼつきましたが、左側に表示されているものは、2つの新しい安値をつくりだしました。
これはTDシーケンシャルでのみ取引する際の大きなリスクの1つです。市場は基調となっているトレンドを継続する可能性があります。
精通したトレーダーは、やはり、反転パターンと組み合わせて使用します。TDシーケンシャルは、実際には反転を示す指標であるため、トレーダーは他の反転パターンを使用する際には補強として使います。
例えば、上記チャートの最初のシグナルはハンマーの終わりに現れています。ハンマーは既に知っているように、強気の反転パターンです。ハンマーを取引するルールを使用する場合、トレーダーは少なくとも1:2のリスクリワードレシオを引き出せます。この時点で、ハンマーを使って取引することを詳しく説明した記事をチェックしてください。
さらに、市場は安値を2度更新する一方で、下降ウェッジパターンを形成しています。これもまた、もう一つの反転パターンで、今回は古典的なものであり、市場が底に近づいているという、TDシーケンシャルが示そうとしていることを補強するものです。
明らかになったように、強気または弱気のTDシーケンシャルシグナルをもつ反転パターンで取引すると、取引が成功する可能性が高くなります。この下降ウェッジでは、トレーダーは以下のことを念頭に置いてください。
- 上部のトレンドラインのブレイクを待つ
- ブレイクまたはリテストした時点でエントリー。この場合、そうなり、ロングサイドでは素晴らしいエントリーです。
- ウェッジの最下点にストップロスを設定する。
下降ウェッジの取引方法に関する全戦略については、今こそ、その取引方法に特化したこの取引アカデミーの記事を復習する時かもしれません。このアカデミーの初級セクションの記事をスクロールするだけです。
結論
この記事で紹介している2つのデマーカー指標は、個人向けのFX取引の世界ではほとんど知られていません。特にTDシーケンシャル指標の場合はそうです。
ここに示したように、この指標は非常にパワフルであり、無視し難いシグナルを生み出します。一部のトレーダーは、数字1が表示された後のトレンド指標としてTDシーケンシャルを使用し、数字9が消耗するまでトレンドに乗ります。
要約すると、デマーカー指標は、FX取引で使用する優れたツールです。他の反転パターン、他の日本の反転パターンや、古典的な反転パターンと組み合わせると、通貨市場で利益を上げる機会を増やす強いシグナルを生み出します。