有名なカナダ人テクニカル分析トレーダーであるチャールズ・ドラモンドにちなんで名付けられたドラモンド幾何学は、テクニカルな視点から市場を見るもう一つの方法です。そもそも、ドラモンド幾何学を使用する最終目的は、金融商品における年初来高値/安値を見つけることでしたが、これはFX取引が存在するずっと以前のことでした。

今日のトレーダーは、多数の時間枠と通貨ペアにアクセスでき、ドラモンド幾何学の元の概念は様々な時間枠でサポートとレジスタンス領域を見つけることに変化してきました。そのため、ドラモンド幾何学を使用することにより、トレーダーは、高確率の取引設定ができる領域を見つけることが可能です。

まず最初に、この記事はドラモンド幾何学原理全般の簡単な説明にすぎないことに触れておかなくてはなりません。この概念は、時間と共に進化しており、様々な取引方法と指標がドラモンドの概念に由来しています。

したがって、この記事の目的は、概念の核心部となる、ドラモンドが全ての時間枠で見つけた初期のサポートとレジスタンスレベルを理解することです。

それ以来、この概念は今日ドラモンド幾何学として知られているものに進化してきました。

一般的なドラモンドの概念

チャールズ・ドラモンドは独自の視点で市場を見ていました。彼は以下のことを強く信じていました。

• 市場が展開されるにつれてあらゆる金融商品の価格は変動する
• チャートは群衆心理の現れにすぎない
• 様々な時間枠でのサポートとレジスタンスは相互に関連している
• 1つの時間枠にパターンが現れた場合、それは他の時間枠でも形成される

ドラモンドの概念の利点は、現在の市場状態に基づいて将来の市場状態を予測する能力にあります。そのため、トレーダーは信頼できるサポートとレジスタンスレベルを特定します。

PL Dotを使って市場状態の予測をする

ドラモンド幾何学の核心部はPL Dotです。ドラモンドDotとも呼ばれ、ドラモンドがトレンドとレンジ条件を区別する方法を探していた時に開発されました。

PLがどこから来ているのか疑問に思う方に説明すると、その頭文字はポイントとラインから来ています。さらに言うと、PL Dotは過去の価格に基づいて計算されたポイント、または平均値です。ラインを使って、ポイントをつなげることで、一種の移動平均がチャートに表示されます。

しかし、このPL Dotラインは、ただの平均値ではありません。PL Dotが計算される方法により、今日のテクニカル分析で使用されるほとんどの移動平均とは異なります。

PL Dot を計算する

PL Dotの概念を使用する際の出発点は、PL Dotの計算方法を知ることです。ルールによれば、PL Dotは最後の3本のローソクの高値、安値、および終値の平均値を平均化しています。

ややこしく聞こえますか？それでは、チャートを使って公式を説明すればそれほど複雑ではありません。

ここにUSD/JPYの週足チャートの時間枠があります。現在のローソク足がまだオープンしている間、前の3本のローソク足を使用して現在のローソク足のPL Dotを計算します。

より簡単な解釈と理解のために、既にクローズした最後の週足ローソク足に1，2，3の数字を付けました。次に、各ローソク足の高値、安値、終値の値を調べる必要があります。

以下のようなものです。

• 1番目のローソク足: 高値 ─ 110.75; 安値 ─ 109.54; 終値 ─ 109.97
• 2番目のローソク足: 高値 ─ 110.93; 安値 ─ 109.36; 終値 ─ 110.67
• 3番目のローソク足: 高値 ─ 111.12; 安値 ─ 110.26; 終値 ─ 110.44

これで、現在まだオープンしているローソク足のPL Dot、またはドラモンドDotを計算するのに必要な全てのものが揃いました。3つの結果を合計をして、それをまた3で割ることで、各ローソク足に対応する3つの値を平均化します。

上記のチャートは一目瞭然です。最初の3つの数字は、各ローソク足の高値、安値、および終値の平均値を表しています。

次に、合計を3で割ります。それが、ドラモンドDot、または現在オープンしているローソク足（大きな、緑のローソク）に対応するPL Dotです。

MT4プラットフォームでは特定の値を設定できないという単純な理由のために、MT4上にポイントを表示しません。代わりに、PL Dot値である、110.33を正確にパラメーターに設定できるラインを使用します。

上の黒いラインは、PL Dotを表し、ドラモンドが意図したように、次期の将来におけるサポートレベルを示しています。現在のローソク足の安値は110.34で、

PL Dotを1ピップ上回っています。素晴らしいですよね？

ドラモンドライン

これまでのところ、PL Dotがどのように素晴らしいサポートレベルを提供してくれるのかを示しました。計算するフォーミュラは、全ての時間枠と通貨ペアで同じです。

おそらくPL Dotを自動的に表示させるインジケーターがあります。あるとしたら、MT4カスタムインジケーター機能を使用して簡単にインポートできます。

しかし、もっとも重要なことは、それが将来のサポートとレジスタンスの貴重な情報源であることを証明することから、その計算方法を理解することです。いつものことながら、サポートとレジスタンスについて言えば、時間枠が大きくなればなるほど、望ましくなると言えます。

しかし、1点だけ言うとすれば、トレンド状態には十分ではありません。もう皆さんは、PL Dotの計算方法を理解されたので、PL Dotをつなぐライン、平均値を画面に表示できます。

しなければならないことは、将来の全てのローソク足について上記の公式を使用して、PL Dotを計算し、取引プラットフォームで利用可能な簡単なラインを使ってドットをつなぐだけです。

結果は、市場を強気と弱気の領域に分ける力強いラインになるはずです。PL Dotが構築された方法のため、PL Dotが上昇する時、実際の価格はかなり前進します。一方、PL Dotをつなぐラインが水平に展開すると、堅調なレンジ状態が現れます。

結論

この記事では、ドラモンド幾何学を取り巻く基本的な概念について説明するとすでに述べました。しかし、この原理は、トレンド条件を示す取引戦略へと進化しており、いつ市場がレンジ状態になるか、レンジ相場内の値動きが精通したトレーダーによってどのように処理されるか、レンジ相場がいつ終わるか、可能なトレンド反転条件とは何かを示します。

要約すると、ドラモンド幾何学は新しい概念ではありません。しかし、ドラモンド理論の核心部であるPL Dotのユニークな性質のためパワフルな概念の一つです。