FX取引におけるパターン認識:ウェッジ
反転パターンとして、ウェッジはトレンドの終盤に形成されます。価格は反転する前に、一連の高値切り上げ、安値切り下げとなります。
方向性が存在しない場合は、ウェッジ型は偽のパターンに過ぎません。ウェッジはトレンドを反転させるように見えます。
しかし、ウェッジはヘッド・アンド・ショルダーパターンに比べ明らかな利点があります。形成する時間がはるかに短いのです。
その上、取られるリスクも小さくなります。ウェッジの無効化、または取引に必要なストップロスは、ヘッド・アンド・ショルダーパターンを取引するときに必要なものよりも低くなります。
ウェッジには上昇と下降の2種類があります。経験から言うと、下降ウェッジは上昇トレンドを示し、上昇ウェッジは下降トレンドを示します。
実際には、上昇ウェッジは強気トレンドの終盤で形成されることを意味します。そして、市場がそのトレンドをブレイクした瞬間から、強気トレンドは終わることになります。
一方、下降ウェッジは強気の状況を示しています。弱気トレンドは、価格によりウェッジがブレイクする瞬間までに終わることを意味しています。
FX取引では、ウェッジが頻繁に現れます。任意の通貨ペアと任意の時間枠を開いてみて、ウェッジが常に形成されていることを確認してみてください。
その理由はその形からきています。市場はさらに前進しようとしますが、価格はほとんど上がりません。消耗状態のサインを示しています。そして、最終的にトレンドを反転させます。
幸運なことに、ウェッジの取引には明確なルールがあります。このパターンは
ほとんどの場合、FX取引に必要な最小限の1:2のリスクリワードレシオを達成するエントリー、ストップロス、および利食いを提供します。
上昇ウェッジと下降ウェッジの基本原則
先に述べたように、ウェッジはトレンドの終盤における消耗状態を示します。強気トレンドの後、上昇ウェッジが形成されます。そして、弱気トレンドの後、下降ウェッジが現れます。
下の図は上昇、下降ウェッジの代表的な例を示しています。2つのトレンドラインはウェッジの形を定義し、ウェッジの取引方法のヒントも示しています。
ご覧のとおり、ウェッジの主な特徴はためらい感です。通貨ペアは、より上方へ前進しますが(上昇ウェッジの場合)、結局すぐ後で後退します。
次に、トレンドを再開するもう一つの試みがありますが、弱気トレンドが反撃します。最終的に、強気トレンドは、パターンがブレイクする前に再挑戦します。
ウェッジでは、焦点は(上昇ウェッジの場合)下のトレンドラインまたは、下降ウェッジの場合)上のトレンドライン(にあります。それはどんな所定の取引においてもエントリーになります。
ウェッジ型の最高ポイントまたは最低ポイントはストップロスを表します。そして、ウェッジ全体のリトレースメントが目標です。
通常、1.2 のリスクリワードレシオで十分です。時には、関わるリスクと比較してはるかに高い利益につながります。
時間枠が大きければ大きいほど、大きな結果がでます。市場が持ち合いにかける時間が違うだけです。
FX取引でのウェッジの例
ウェッジは頻繁に形成されます。あまりにも多く形成されるので、ウェッジがトレーダーの武器(取引の手段)の中で唯一の取引ツールであることがあります。
それはもっともなことです!!今日FX取引ではどれだけの通貨ペアが存在し、またどれだけの時間枠があるのか考えて見てください。そうすれば、理解できるでしょう。
ここに最も人気のある通貨ペアであるEUR/USDの2つの例があります。全ての時間枠における頻度と外観を説明するために、時間足と月足を見て証明してみます。
最初の例は、EUR/USD時間足チャートの下降ウェッジを示しています。最近、2018年3月初めに形成され、前述した原則を考慮して、FX取引でウェッジ型を使用する方法を説明しています。
しかし原則は変わりません。エントリーレベル、ストップロス、利食いは同じルールを順守し、唯一の違いはウェッジ全体を反転させるために価格が移動する距離のみです。
このような取引パターンの明確なルールのため、トレーダーはウェッジを大変好みます。FX取引では、他の標準的なパターンよりも頻繁に形成され、ブレイクするのに時間をあまり要しません。
ペアは、強く激しい動きを形成して下落しました。しかし、新しい安値がでるたびに強気の押し返しが続きました。
最終的に、ウェッジは上方へブレイクしました。そこがエントリーです。
先に述べたように、最も低いポイントがストップロスで、ウェッジが完全に反転するときに利食いがとなります。取引するにはどうでしょうか?
ウェッジは大きな時間枠でも形成されます。ここにウェッジが形成されるのに2~3年かかったEUR/USDの月足チャートがあります。
しかし原則は変わりません。エントリーレベル、ストップロス、利食いは同じルールを順守し、唯一の違いはウェッジ全体を反転させるために価格が移動する距離のみです。
このような取引パターンの明確なルールのため、トレーダーはウェッジを大変好みます。FX取引では、他の標準的なパターンよりも頻繁に形成され、ブレイクするのに時間をあまり要しません。
エリオット波動理論とウェッジの統合
おそらく、ウェッジを極端に解釈したのは、ラルフ・ネルソン・エリオットでした。エリオット波動理論の創始者であるエリオットは、人間の行動やインプットにより市場が動くと信じていました。
恐れと貪欲は私たちの日々の生活を支配するので、取引の判断も支配しているはずです。このことを念頭に置いて、エリオットは市場がつくる動きをサイクルに分類し、サイクルを衝撃波と修正波に分けました。
衝撃波の終盤に、エリオットは市場がいわゆるターミナルパターンを形成することを発見しました。それがウェッジです!
分析を明確にするために、エリオットは衝撃波を数えるため数字を使用しました。従ってウェッジの波は1-2-3-4-5というカウントとなります。
さて、ウェッジのブレイクとは2-4トレンドラインのブレイクを意味します。この両者間が最も重要なトレンドラインになります。
エリオットはまた、大抵の場合、価格は1-3トレンドラインでブレイクし、ブレイクした後に2-4トレンドラインをリテストすることを発見しました。
エリオット波動理論とFX取引におけるその意味合いについては、後で取引アカデミーで取り上げます。今のところは、ウェッジがどのように形成され、それをどうやって取引するのか、またウェッジは多くの取引理論や概念の不可欠な部分であることを理解することが最も重要です。
結論
この記事の焦点は、ウェッジの明確な取引ルールであり、ウェッジはトレンドを反転させることを覚えておいてください。上記のEUR/USDの月足チャートをチェックして、利食いが満たされた後に価格が大幅に下落したことを確認してください。
そのためトレーダーは、取引スタイルや期待に応じて異なるアプローチを使用します。トレーリングストップはトレンドの反転に対処する1つの方法です。
例えば、利食いで利益を半分にして注文を入れ、残りをトレーリングストップにするのはどうですか?どうすればそれが可能ですか?
月足、または他のより重要な時間枠(週足、日足)でも、トレーリングストップにはソフトウェアを必要としません。前回のローソク足の終わりにストップロスを動かすだけです。
このような簡単なルールのおかげで、EUR/USD月足チャートの弱気な動きのほぼ全部を乗り切ることができました。
このプロジェクトでウェッジについて考察するのは今回が最後ではありません。先に述べたように、ウェッジはエリオット波動理論の不可欠な部分であり、考慮するべきことはまだたくさんあります。
しかし、単純なパターン認識アプローチからウェッジを取引する基本原則だけで、十分に収益性の高い取引をやることができます。規律のある取引のアプローチを提供し、取引のゲームから感情や喜怒哀楽を排除します。
結局のところ、トレンドラインがブレイクするのを待ち、ストップロスと利食いを設定することがしなくてはならない全てだとするなら、なぜうまくいかないのでしょうか?感情も、何もなく、市場の動きだけを見てください。
残念ながら、それは口で言うほど簡単ではありません。事実が明らかになった後に見ると、EUR/USDの月足チャートさえも取引するのが当然であるように思われます。
ウェッジ形成の間は、トレーダーは厳しい局面に向かい合います。トレーダーは、FX取引で成功するための最も重要な特性である忍耐と規律が必要になります。