FX取引:中級レベル

中級
Trading101
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Duration 20 時間

日本のローソク足:かぶせ線(ダーク・クラウド・カバー)とピアーシング

ローソク足分析は日本では何世紀も存在していますが、西側諸国に紹介されたのは1990年ごろにすぎません。

バーチャート、ポイント・アンド・フィギュア・チャートが西側諸国に登場するはるか前から、日本人はローソク足チャートを使っていました。現在、世界中のトレーダーがローソク足チャートを好んでいますが、その理由を以下にあげます。

  • 利用・理解しやすい。ほとんどのパターンが数本のローソク足しか使わないため(1本のローソク足パターンが出現するだけで、重要な相場の反転を示す場合もある)。
  • 市場の相場が反転するときに、早期の取引シグナルを提供。従来のテクニカル分析パターンよりもはるかに早い
  • FX取引で利益をあげるために必要となる厳格な資金運用設定を尊重した明確なエントリー、ストップロス、利食いと、並ぶものがないような取引設定を提供。

これまでのところ、日本のローソク足の3つの反転パターンを取り上げました。

以上はすべて反転パターンで、1本、2本、または3本のローソク足で構成されます。とはいえ、同じ反転パターンのカテゴリーに属する2本のローソク足パターンはもう一つあります。かぶせ線(ダーク・クラウド・カバー)とピアーシングパターンです。

FX取引におけるかぶせ線(ダーク・クラウド・カバー)

上述のパターンと同様に、ここでも強気のバージョンと弱気バージョンが1つずつあります。強気のパターンはピアーシングで、かぶせ線は弱気の状況を示します。

反転パターンが形成されるには、トレンドがまず存在しなければなりません。トレンドがなければ、同じような2本のローソク足が出現しても、無視してください。

ピアーシングとかぶせ線パターンでまず覚えていけないことは、偽の包み線と似ていることです。包み足パターンとなるものをあげます。

  • 2本の反対方向のローソク足
  • 2本目のローソク足が1本目を包みこむ

ピアーシングとかぶせ線の場合は、2本目のローソク本目のローソクが1本目のローソクを包み込めていません。とはいえ、2本目は、1本目の領域の2分の1以上に近づく必要があります。

このため、多くのパターンはこのカテゴリーにあてはまらず、トレーダーは偽のシグナルとして無視します。下のチャートは強気トレンドの存在と強い緑のローソク足を示していますが、2本目のローソク足は、1本目のローソク足の半分の長さになっていません。したがって、偽のパターンを示します。市場が結局、新高値を達成したのは不思議ではありません。

以下、かぶせ線の条件をあげます。

  • 弱気の反転パターンであるため、市場は強気トレンドを伴って上昇します。
  • 1本目のローソクは通常は陽線で、緑の実体と上ヒゲは皆無かほとんどありません。
  • 2本目の最も重要なローソクは、強気トレンドを反転させます。弱気の陰線で、1本目のローソクの2分の1を超えてクローズしますが、1本目を包みません。このローソク足が発生すると、市場はかぶせ線を形成します。FX取引ではよくお目にかかるパターンです。

上のEURGBP4時間足チャートは強気トレンドで上昇しています。トレーダーに相場の反転の可能性があると警告するものは何もないようです。最後の上昇がとても攻撃的で強気に見えるからというのが大きな理由です。

とはいえ、ある時点で、赤のローソク足が1本現れ、強気トレンドに水をさします。その前のローソク足の2分の1を超えるところでクローズになり、かぶせ線を形成します。強気に問題が生じ、弱気が飛び込んできます。

抜け目のないトレーダーであれば、反転シグナルは速ければ速いほどよいことが分かっています。このため、すばらしいリスクリワードレシオと共に早い時点でのエントリーをさせてくれる日本のローソク足パターンを好みます。

かぶせ線パターンの取引方法

強気トレンドを反転させるため、トレーダーは売り注文を出します。このパターンの取引計画を挙げます。

  • 2本目のローソクがクローズし、かぶせ線のルールが実行されていることを確認します。
  • パターンの最高点と最低点の差を測定。
  • フィボナッチ・リトレースメント・ツールを使って、50%と61.8%の反転レベルを見つけます。
  • フィナボッチ・リトレースメント上では、そのエリア内で売りの指値注文をするか、市場に売りで入ります。
  • かぶせ線の最大ポイントでストップロスを設定。
  • FX取引の適切なリスクリワードレシオを尊重した利食い(1:2または1:3)。

先に掲載したEURGBPチャートが、かぶせ線が形成された後、どうなったのかを見ましょう。相場の反転までしばらく時間がかかりましたが、強気は完全に状況を支配できなくなりました。

FX取引におけるピアーシングパターン

ピアーシングパターンはかぶせ線の逆です。以下、その条件をあげます。

  • 弱気の反転パターンであるため、市場は弱気トレンドを伴い下落します。
  • 1本目のローソクは通常は陰線で、赤の実体と上ヒゲは皆無かほとんどありません。
  • 2本目の最も重要なローソクは、弱気トレンドを反転させます。強気の陽線で、1本目のローソクの2分の1を超えて終了しますが、1本目を包みません。このローソク足が発生すると、市場はピアーシングを形成します。FX取引ではよくお目にかかるパターンです。

同じEURGBPペアは、弱気トレンドが終わる時にピアーシングパターンを示します。緑のローソク足が、その前にきた赤いローソク足の2分の1を下回るところで、前のローソク足を包みこまずにクローズになるまで、相場の反転の可能性を示すものはなにもありませんでした。

それが起こると、強気が支配権を握ろうとし、弱気トレンドの反転を示します。とはいえ、弱気と強気のせめぎ合いは続き、ピアーシングパターンの底で無効化レベルとなります。

ピアーシングパターンの取引方法

ピアーシングパターンが現れると、取引価格の上昇を期待した買い取引となります。トレーダーは買い注文をし、次の取引計画を用います。

  • 2本目のローソクがクローズし、ピアーシングパターンのルールが実行されていることを確認します。
  • パターンの最高点と最低点の差を測定。
  • フィボナッチ・リトレースメント・ツールを使って、50%と61.8%の反転レベルを見つけます。
  • フィボナッチ・リトレースメント上では、そのエリア内で買いの指値注文をするか、市場に買いで入ります。
  • ピアーシングパターンの最小ポイントでストップロスを設定。
  • FX取引の適切なリスクリワードレシオを尊重した利食い(1:2または1:3)。

ピアーシングパターンの次に何が起こるかを以下に記します。弱気トレンドが無効化に向かって押し進んだ次の12時間の間、弱気トレンドは低値を超えようとしてきました 。

しかし、ストップロス・エリアで持ちこたえ、最終的に、市場は上昇します。慎重なトレーダーは利食いを設定して、市場がその値に達するのをただ待ちます。

「設定して忘れる」アプローチが一番うまくいきます。取引設定にい感情が介入しませんし、フォローアップも不要だからです。とはいえ、積極的なエントリーを好むトレーダーはトレンドをを最大限に活用したがるため、トレーリングストップを使って最近のトレンドに乗ります。

結論

かぶせ線とピアーシングパターンを使って、日本のローソク足技術で最も重要な反転パターンを取り上げました。他の反転パターンも存在しますが、いずれにせよ、ここまでのところ、示したものとは差があります。

かぶせ線(ダーク・クラウド・カバー)またはピアーシングパターンはFX取引でよく現れます。たとえば包み足パターンに比べると多く登場します。

このセクションで取り上げたパターンを使うと、トレーダーは市場の変動を利用できる機会を十分にあたえられます。さらに、結果としてできるリスクリワードレシオは、日本のローソク足パターンを使った取引開始のすばらしいインセンティブとなります。