FX取引:中級レベル

中級
Trading101
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Duration 20 時間

日本のローソク足:ハンマーを理解

ご存じの通り、テクニカル分析は西洋のアプローチと日本のアプローチが混ざったものです。アメリカの株式市場で、ヘッド・アンド・ショルダーズ、ダブルトップ、トリプルトップ、ウェッジなど、すべてトレーダーがテクニカルの世界でよく知られているパターンを分析した時に始まりました。

アメリカで株式市場が存在するずっと以前に、早くも日本では、米市場の将来の価格を予想するため、ローソク足が使われていたことはほとんど知られていませんでした。数百年して、日本のローソク足は、今日のテクニカル分析の一部となっており、FX取引で特別な位置を占めています。

ほとんどが反転パターンとなる、ローソク足パターンは単純で効果が高いため、驚きをもって迎えられています。最も強力な特性は、資金運用システムへの取引の統合方法からきています。

ローソク足チャート分析はローソク足という概念を理解することから始まります。ローソク足は、始値と終値で決まる実体と上ヒゲと下ヒゲ(ローソクの最高値と最安値)で構成されています。

FX取引において意味のあるリスクリワードレシオ(1:2または1:2.5)を求める抜け目のないトレーダーは、ローソク足パターンに注目するようになりましたが、それだけの理由があります。前に述べたような従来のクラシックなパターンよりも取引終了まで時間をかけず、取引の機会を増やしています。

このため、世界中のトレーダーはローソク足を心から受け入れているのです。今日、ローソク足チャートは市場を見る上で活用する最初のオプションとなっており、日本のローソク足はテクニカル分析の必須部分となっています。

FX取引におけるハンマー

1本のローソク足の反転パターンであるハンマーは、弱気と強気のせめぎ合いを示します。実際、すべての反転パターンはそれだけを提供していますが、弱気と強気の2つの間の争いは日本のローソク足テクニックを使ったほうがよくわかります。

ハンマーが出現するには、弱気トレンドが必要です。弱気が主導権を握っており、一般的な地合は、単に市場の下落継続となっています。

強気筋は、弱気トレンドの終了を示す機会または兆候を探します。ハンマーはそれを示すパターンです。

ハンマーが発生しそうな状況はどういうものか、取引方法といったハンマーに関する詳細を述べる前に、ローソク足を定義する必要があります。一定期間の始値と終値しか示さないバーチャートとは異なり、ローソク足チャートは複数のローソク足の性質も示します。

通常、価格の上昇と下落を示すため、トレーダーによって緑と赤が使われます。こうして、デフォルトの解釈では、強気トレンドは多くは緑色のローソクとなり、弱気トレンドでは、赤のローソクが主流です。

どんなローソク足にもいわゆる実体があり、そのローソクの始値と終値の差を示します。終値が始値を超える時は、ローソクは強気、または緑色です。そうでなければ、ローソクは赤、または弱気です。

始値と終値が同じローソクは同時線と呼ばれます。ユニークなローソクで、この取引アカデミーでは別記事で取り上げます。

ローソク足にもヒゲがあり、ある期間の最高値または最安値を示します。ヒゲの長さは、特定のローソク足における値動き(様々なパターンにつながります)について極めて多くのことを教えてくれます。

前述の通り、ハンマーはローソク足パターンの一つで、弱気トレンドの終了時に形成される強気パターンです。従って、強気トレンドが終わる時にハンマーを見付けることはできません。

しかし、その概念は存在し、流れ星(シューティングスター)という別名がついています。この記事で扱われているハンマー概念はすべて、流れ星は強気ではなく弱気を示すという点を除くと、流れ星にもあてはまります。

ハンマーパターンの条件

ハンマーは小さな実体があります。実体は緑の場合は赤の場合もあります。その性質はハンマーの解釈ではまったく重要ではありません。

ハンマーの最重要要素はヒゲです。さらに正確に言えば、下ヒゲです。

実体の長さの2倍以上である必要があります。これは底入れしたローソクがハンマーとなる最低条件です。

強力なハンマーのローソクには、非常に長い下ヒゲがついており、それが表示された時間枠と共にハンマーパターンの重要性は増します。たとえば、日足チャートに現れるハンマーは、1時間足よりも、強気を示します。

ハンマーについてまず知っておかなければならないのは、弱気トレンドの後に形成されるという点です。EURUSD週足チャートにはハンマーのように見えるものがありますが、ハンマーではありません!

弱気トレンドがまったく見あたらないのが、そのローソクはハンマーでないと軽視するに足る理由となります。以下に、ハンマーがどのように見えるかを示します。

明らかに弱気トレンドです。弱気が主導権を握っており、強気は入り込む機会をうかがっています。

上のチャートは、ハンマーパターンの説明に最適なものです。反転パターンのときも、弱気が争いもせずに負けてしまうわけではありません。

結局、ハンマーは全体のトレンドを反転させることはできませんでしたが、急上昇を引き起こしました。結局のところ、弱気トレンドが再開され、ハンマーの最低値を下回るまで、市場では反転パターンが取り消されました。

ハンマー・パターンの取引

日本のローソク足パターンはすべて、大きなリスクリワードレシオを提供します。FX取引では、1:2から1:3の間のレシオであれば、堅調な資金運用を十分にできます。

勝ち(リワード)が負け(リスク)の2倍か3倍を上回らなければならないということです。従って、結局負ける取引があったとしても、このようにしっかりとした取り組みをすれば、口座はやがて成長します。

前述のハンマーパターンに戻りましょう。このように取引をします。ハンマーは強気と弱気のせめぎ合いであることを覚えていらっしゃいますか?

ハンマーが形成された後は、まもなくやってくる値下りを待ちます。抜け目のないトレーダーであれば、フィボナッチリトレースメントツールを使って、ハンマーの長さを測定します。

次に50%と61,8%のリトレースメントレベルを長期取引のエントリーポイントとして選択します。最後に、ハンマーとなったローソク足の最安値をストップロスに設定します。

それが絶対的無効です。価格がこれを下回ることがあれば、市場でハンマーが無効になります。

利食いについては、含まれるリスク(参入価格とストップロスの間の差)を測定し、2か3の係数をかけます。いつかは弱気トレンドが再開するとしても、大型取引ではそれで十分です。

上のハンマーは4時間足チャートで形成されましたが、どんな時間枠であっても、このパターンがでた時の取引の原則と方法は同じです。当然、月足チャートのパターンでは、ストップロスと利食いの差が大きくなりますが、取引の原則/ルールは同じです。

ハンマーと逆に、流れ星は弱気の地合を示します。流れ星ができた後の取引はショート(売却)になり、 ストップロスを最上位におき、適切なリスクリワードレシオを設定します。

結論

一本のローソク足にもかかわらず、ハンマーはすばらしい反転パターンです。反転の可能性を示しますが、必ず反転が起こると保証するわけではありません。

ここで述べている取引方法は、FX取引にふさわしいリスク管理システムにおいて必要となるリスクリワードレシオを尊重する取引をハンマーで行えることを示しました。とはいえ、それは単にハンマーのレシオ(比率)とターゲットに過ぎず、それに続く動き全体に対するものであるわけではありません。

このため、積極的なトレーダーは、パターンで発生したターゲットだけを使って決済しません。示されたターゲットにおける利益の半分を残る期間、ストップロスを追跡するためだけに予約します。

このようにして、トレーダーは反転パターンを最大限に活用します。ここで使った例では、積極的アプローチはうまくいきませんでした。弱気トレンドがまたはじまったからです。

とはいえ、ハンマーは積極的なアプローチでさえも利益を生み出しました。そのことから、ハンマーには非常に大きな取引の機会をあたえる力があることがわかります。