FX取引:中級レベル

中級
Trading101
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日本のローソク足:強気の包み足(ブリッシュエンガルフィング)および弱気の包み足(ベアリッシュエンガルフィング)を理解

西側に紹介された日本のテクニカル分析、新たな市場分析方法。ローソク足チャートは今では、FXに携わる個人トレーダーのお気に入り、または最初に選ばれるものとなっています。

バーチャートと異なり、ローソク足はローソク内の値動きを示します。従って、実体と2つのヒゲ(上ヒゲと下ヒゲ)の見え方は、トレーダーに個々の市場について教えてくれます。

伝統的なテクニカル分析パターンと組み合わせると、日本のローソク足技術は、チャート形成にかかる時間が少ないため、全体の分析が強化され、エントリーがすばやくなります。

これまで、この取引アカデミーでは、ハンマーと明けの明星・宵の明星の2つの反転パターンを取り上げてきました。FX取引の視点(実際の取引設定)から見ると、両方の概念は似ているように見えますが、2つのパターンを形成するローソクの数は違います。

ハンマーと明星以外にも、強気の包み足と弱気の包み足は重要な日本のローソク足の反転パターンです。このパターンは、2本のローソクによって形成されるため、ハンマー、明けの明星・宵の明星は異なります。

強気の包み足および弱気の包み足の条件

あらゆる反転パターンはトレンドの終わりに形成され、これも変わりはありません。2本ローソク足パターンの包み足が出現すると、すばやく反転が起こり、トレンドが突然、方向を変えます。

時間枠が長いほど、意味あいが強くなります。スイングトレーダーと投資家は、週末または月末に向かう週足チャートと月足チャートを見て、反転パターンの可能性を見いだそうとします。

包み足は2本のローソク足しか必要ないため、他の伝統的なテクニカル分析パターン(ヘッド・アンド・ショルダーズ、ウェッジ、ダブルトップ/トリプルトップなど)の前に、市場に参入する最速の方法を提供します。

反転パターンが形成されるには、トレンドがまず存在しなければなりません。それが第一条件で、それがなければ、2本のローソク足のグループが包み足パターンに似ていても、重要ではありません。トレーダーは無視すべきです。

強気トレンドが進む間は、緑のローソク足がチャートで優勢となります。そのため、弱気の包み足がいつ始まるのか、トレーダーにはわかりません。このパターンの1本目のローソクも強気だからです。

大きな実体があり、通常は高値に近いため、上ヒゲはほとんどないか、まったくありません。1本のローソク足ですでにパターンの半分ができているので、わくわくする部分は、2本目のローソクができた瞬間からです。

包み足の概念では、2本目のローソク足は、1本目よりも大きくなる必要があります。従って、2本目は完全に1本目を包み込みます。

FX取引では、これは取り扱いが難しい表現です。今では、標準的な取引口座は、通貨取引に5桁のクオート(買値/売値の提示)がされるため、ローソク足がクローズされるときに、市場にギャップができるのはほぼ不可能になっています。

とはいえ、包み足パターンというアイディアは有効であり、トレーダーは為替市場の包み足には、ややフレキシブルに対応する必要があります。そういうものであるため、2本のローソク足の終値と始値が同じレベルになっていないかを探すだけで、強気の包み足および弱気の包み足がFX取引で意味のあるものかどうかがわかります。

上のチャートでは、弱気の包み足が現れています。シンプルに見えますが、多くの人が考えるほど市場で頻繁にこのパターンが形成されるわけではありません。

どんな通貨ペアでもかまいませんので、お望みの時間枠を使って自分で試してみてください。そうすれば、包み足パターンが表示される回数はそれほど多くないのがわかるでしょう。さらに正確に言うと、市場では包み足に似たパターンが形成されることは多いのですが、無視すべきです。

包み足パターンには罠があります。包み足という概念は、実体だけを包むのであって、ヒゲも包むわけではありません!

そのため、2本目のローソクの実体は、1本目のローソクの実体だけを包む必要があります。そういうことです!

ヒゲも包み込んでいるのであれば、トレーダーはそのパターンを無視すべきです。以下に、偽の強気の包み足を示します。偽の強気の包み足があれば、ただ無視してください。

強気の包み足であれば、市場は下落するにちがいありません。包み足パターンの1本目のローソクは、何の信号でもありません。ただ一本赤のローソク足が登場し、弱気の状況がまだ継続していることを示しているだけです。

ですが、2本目のローソクは強力な緑のローソク足で、強気が支配権を握ろうとしていることを示します。2本目のローソク足が1本目の実体を包み、上ひげも包んでいないのであれば、強気の包み足が存在します。

さて、最後の2つのチャートを比較して、違いをみてください。本物のよいパターンから偽のパターンをふるいにかけるのに役立つでしょう。

強気の包み足および弱気の包み足はそれほど多く形成されるわけではないため、非常に強力です。こうして、FX取引計画は、ハンマーまたは明けの明星と宵の明星の場合のように、通常の市場の下落を待つことはありません。

強気の包み足および弱気の包み足パターンでの取引

2つのパターンの取引には、エントリー、ストップロスと利食いの明確なルールがあります。FX取引では、利食いレベルは少なくとも1:2のリスクリワードレシオを示すということが、これまでにわかっています。

つまり、1ピップ(通貨ペアのクオートの4桁目)をリスクにかけるたびに、利益は少なくとも2ピップとなるべきであり、1:3が理想的です。たとえば、FX取引計画で、50ピップのストップロスが必要な場合、利食いレベルはエントリーレベルより、100または150ピップ上(強気の取引の場合)または下(弱気の取引の場合)に設定します。

以下、強気の包み足パターンの取引方法を示します。

  • 2本目のローソクの終了時に買いでエントリー
  • 包み足パターンの最低点でストップロスを設定します(この最低点は1本目のローソクでも、2本目のローソクでもかまいません)
  • 強気の包み足の最高点と最低点の差を測定
  • 利食いレベルを見つける時は、エントリーポイントから2~3倍高いと推定します。

弱気の包み足の場合、FX取引は次のようになります。

  • 2本目のローソクの終了時に売りでエントリー
  • 包み足パターンの最高点でストップロスを設定します(この最高点は1本目のローソクでも、2本目のローソクでもかまいません)
  • 弱気の包み足の最高点と最低点の差を測定
  • 利食いレベルを見つける時は、エントリーポイントから2~3倍低いと推定します。

通常の注意を払います。時間枠が長いほど、市場全体に対する意味あいも大きくなります。日本のローソク足の視点を通じて、ドル指数全体を分析すると考えてください。

このように、弱気の包み足または強気の包み足、または反転パターンは、USDが含まれる個々の通貨ペアで後に続く値動きについて、多くのことを教えてくれます。

結論

日本のローソク足パターンと比較して、どのパターンのほうが強力かを断言することはできません。その代わり、強気トレンドと弱気トレンドの終わりに価格が形成されれば、すばらしい取引の機会が生まれる強力なサインがでていると言えます。

結局、これがFX取引というものです。変動する市場で、よい取引または変化を見付けることです。もちろん、すべての取引で利益があがるわけではありません。

けれども、ストップロスが設定されていれば大丈夫です。リスクリワードというコンセプトがあらゆる資金運用システムにはあるため、トレーダーは損失をFX取引計画の一部として対処します。

包み足パターンはそれほど頻繁に形成されるものではありませんが、包み足を探すことができる時間枠と通貨ペアは数多くあります。標準的なFXダッシュボードでは数十もの市場がリストアップされており、それぞれに9種類ほどの時間枠があります。

そのため、ある通貨ペアでは、ハンマーパターン取引に変化が生じ、別のペアでは、強気の包み足が生じ、また別のペアでは宵の明星が生じるかもしれません。または、同じ通貨ペアではあるものの、別方向の取引を希望されるかもしれません。様々な時間枠でパターンが形成されているからです(ヘッジ可能であれば)。

いずれにせよ、強気の包み足および弱気の包み足は、FX取引にアプローチするもう一つの規律に沿った方法にすぎず、トレーダーに利益をあげるチャンスをさらに多くあたえます。このため、包み足は、トレーダーのテクニカル分析戦術になくてはならない取引ツールです。