日本のローソク足:同時線の理解
おそらく一番ミステリアスなローソク足パターンである同時線は1本だけのろうそくです。その定義はたいへんシンプルで誰でも理解できるものですが、市場には大きな影響を及ぼします。
何よりもまず、同時線は不透明感を示します。しかし、相場の反転のシグナルだけではありません。時には反転パターンとなりますが、時には継続パターンでもあります。
どちらの場合も、不透明感と市場のためらいを示します。強気と弱気の両方が次のステップを待ち構えています。
同時線が形成される場合、ローソク足の始値と終値は同じになります。これはFX取引では難解です。ブローカーが今では、個人トレーダーに5桁の正確な見積を提供しているからです。
さらに、EURUSDペアの月足チャートにおける同時線を想像してください。始値が1.24034とすると、一ヶ月後の終値がまったく同じ値を示すと予想するのは困難です。
さらに、すべてのブローカーが同時にローソク足をクローズするわけではありません。例えば、サーバー所在地に応じて、ニューヨークにサーバーがあるブローカーと東欧にサーバーがあるブローカーでは、4時間のローソク足をクローズする時間が異なります。
従って、わずかに柔軟性があってもまったく害はありません。特にFX取引は非常に不安定だからです。5桁の口座が個人取引で利用できる前は、同時線はシンプルな4桁の取引口座上でさらに正確に見えました。
また一日の時間枠も気をつけてください。一部のブローカーは、チャートから日曜のローソク足の削除を選択しています。今では単に表示していません。
しかしながら、それは必ずしも正確ではありません。取引はニュージーランドとオーストラリアの日曜には数時間だけとはいえ、行われているからです。市場で十分な流動性がないため、ほとんどの時間で日曜のローソク足は同時線のように見えます。
日本式ローソク足のアプローチの一環として同時線を使うトレーダーであれば、FX取引では日曜のローソク足を無視するのが一番です。同時線を巡るFX取引の特色は分かっているので、同時線がなぜこれほど重要な理由を見つけましょう。
同時線の種類
同時線は下の画像で示す通り、十字線のように見えます。
横の線ができる場所に応じて、複数の種類の同時線が存在します。最近の EURUSD4時間足チャートでは、2つの塔婆同時パターンが形成されました。
名前が示す通り、卒塔婆パターンは弱気の反転を示すもので、通貨ペアは卒塔婆が形成された後、100ピップを超える反落となりました。
この場合、同時線は反転パターンの役割を果たします。同時線はためらいを示し、市場は方向を求めており、同時線のタイプによって、方向が示されます。
塔婆の反対がトンボです。強気の状況を示し、当然ながら、弱気トレンドの間に現れます。
上のチャートをチェックすると、強気の状況を示すトンボが見えます。トンボの左側をすばやく見ると、市場では、塔婆のように見えるローソク足が形成されました。
しかし、塔婆は弱気の状況を示すため、強気トレンドの間に現れますので、この場合には当てはまらないようです。したがって、このパターンは無視できます。
支配的な同時線である足長同時線は相場の反転と継続の状況を示します。希望すれば、ブレイクアウト指標の役目を果たせます。トレーダーは新たなトレンドに飛び込む前に、市場がいずれかの方向にブレイクするのを待ちます。
上記のチャート上の足長同時線をこれ以上説明する必要はありません。市場が下にブレイクした後は、市場は決して振り返りません。
さらに、チャートの左側を素早く見ると、ダブルトップが形成されています。弱気の地合が強くなるという確信が強まり、弱気の方向を確かなものにします。
同時線を伴うコンフルエンスエリア
同じエリアで2本以上の同時線はコンフルエンスレベルを形成します。継続であれ、反転であれ、そこからブレイクするもは、同時線1本の後に来る値動きよりも強力なものになります。
同時線が増えれば増えるほど、強気または弱気が高まります。上のチャートが示す通り、EURUSDは上にブレイクする前に、12時間もみ合いました(4時間の時間枠で3本のローソク足)。
なんとかブレークすると、その後、大きく上昇しました。高値でも同じです。
塔婆は弱気トレンドとなる可能性があることを示します。次に、市場ではもう一つの同時線が通常の形で登場し、先行きが不透明であることを裏付けます。
とはいえ、その前に同時線があるため、弱気のスタンス、または売りとなります。最後に、この通貨ペアは下にブレイクします。
他のテクニカル分析パターンと合わせて考えると、同時線は新たな取引の確認となるだけです。ダブルトップ、トリプルトップ、ダブルボトム、またはトリプルボトムか、ブレイク前の上昇型/下降型トライアングル持ち合いの一部であれば、同時線は何かを諦める寸前であることを示します。
同時線に対するFX取引計画
同時線の取引は、日本のローソク足パターンと同じ手順です。第1に、そのタイプを評価するため、ローソク足がクローズするまで待ちます。
第2に、いずれかの方向にブレイクするのを待ちます。最後に、市場に買いか売りを行い、(買いの場合)同時線の一番下、(売りの場合)一番上のポイントをストップロスにします。
目標については、1:2または1:3の適切なリスクリワードレシオであれば、このFX取引アプローチには十分です。
この場合、塔婆は反転状況を示しました。強気が同時線を克服しようとしますが、うまくいかず、価格は次第に下落しました。
同じFX取引計画が、すべての同時線に対して適用できます。場合によっては、市場には戻りがあり、ストップロスに達します。
しかし、リスクリワードレシオのおかげで、長期的には、おそらく戦略はうまくいきます。使われる時間枠も問題になります。
たとえば、5分足チャートでの同時線取引は道理にかないません。経済ニュースの影響で、ストップロスが実行されるでしょう。
従って、道理にかなう時間枠を必ず使ってください。4時間足チャート以上で始めると、同時線は市場に対する意義深い洞察を提供してくれます。
結論
取引アカデミーで日本のローソク足を扱う部分は、同時線で終了となります。とはいえ、ここで扱った内容は、ほんの一部、最も明らかなものにすぎないと胸に刻んでください。
日本のローソク足というテーマは広大なもので、窓(マド、ギャップ)、はらみ、毛抜き天井・毛抜き底、団子天井 、鍋底、タワートップ、やぐら底、並び赤のようなコンセプトがあります。
日本のローソク足パターンは1700年台から存在してきたという事実を考えれば、これほど多くのコンセプトがあって当然です。詳しく見ると、継続パターンよりも反転パターンのほうが多いため、世界中のトレーダーがFX取引で役に立つと思っています。
トレンドに入るのが早いほどよいのです。取引で大きなストップロスは不要になり、リスクリワードレシオによって大きな利益が得られるためです。
面白いことに、強気の概念がでれば必ず、逆の弱気の概念が存在します。従って、トレーダーは同じアイデアと取引計画を使って、市場で売買できます。
すべての日本式ローソク足パターンの中でも、同時線はミステリアスなオーラを放つローソク足です。ためらいを示しますが、市場がブレイクするまで、上昇するのか下落するのかはわかりません。
しかし、このことは短所というより長所なのです。そうすることで、同時線はトレーダーに忍耐と規律のある方向、市場が動くまで待つことを「強います。」
トレーダーがあらゆるパターンで同じようにできるのであれば、結果は大幅に改善されるでしょう。とはいえ、取引アカデミーの初心者レベルでは、エリオット波動理論のように、個人トレーダーの間で人気の高い取引理論を使って動きます。