RSIのダイバージェンス(逆行現象)
1900年台後半にウェルズ・ワイルダーが開発した相対力指数(RSI)は時の試練に耐えて、一番人気のFX取引指標の1つとなりました。あらゆる個人トレーダーが、取引キャリアの間に一度はRSIを見たことがあると言われています。
RSIはオシレーターです。この取引アカデミーの以前の記事ですでに一番人気のオシレーターをとりあげていますが、RSIは導入部分を紹介したにすぎませんでした。
この記事では、RSIの利用をさらに掘り下げ、オシレーターのダイバージェンスの機能について、明確な例を示します。すばやいリマインダーとしてのRSI
- プラスの領域のみ移動
- 買われすぎ(70)と売られすぎ(30)のレベルがある
- FX取引では最大値(0と100)はめったに現れない
- 標準的な解釈では、RSIが30未満になると通貨ペアを買い、70以上の値になると、売ります。
どんなオシレーターでも同じですが、RSIは実際の価格の下に別のウィンドウで表示されます。オシレーター構築というアイディアは、価格レベルのスピードと変化を測定することです。
オシレーターは複数期間を検討してから、値を表示します。RSIの初期設定期間は14です。つまり、現在価格に相当する値を表示する公式では、以前の14本のローソク足を使います。
当然、期間が長くなると、RSIは平坦になります。従って、重要ではなくなります。極端なレベルに達するのが困難になるからです。
上のEURUSDは日足で表示されています。下で、2つのウィンドウが別の期間のRSI指標を示します。
- 下の期間は50日です。
- 上の期間はデフォルトの14日です。
RSI (50)は極端なレベルに達せなかったため、FX取引では役にたちません。従って、初期設定の期間が一番うまくいき、トレーダーはめったに設定を変更しません。どちらかと言うと、初期設定をさらに短期間に変更し、価格の速い変更を検討します。
FX取引のダイバージェンス
オシレーターは主要チャートの動きを追います。価格の動きとRSIの動きが一致しない時に、ダイバージェンスが発生します。
ここで利用できる最高のツールが高値の切り上げと安値の切り下げが続くことです。今では、これがトレンドを作ることがわかっています。
(強気トレンドにおいて)高値の切り上げと安値の切り上げが続き、ブレイクすると、強気が勝ち続けます。あるいは、(弱気トレンドにおいて)安値の切り下げと高値の切り下げが続いて形成される限り、市場の下落は続きます。
価格が作りだす偽の動きを見つけるため、(強気トレンドの)高値の切り上げシリーズと(弱気トレンドの)安値の切り下げを着目し続けます。しかし、トレーダーは方程式にオシレーターを持ち込みます。どうやら、最初の選択肢はRSI (14)のようです。
RSIは複数の期間を使って、現在価格に相当する価値を表示するため、トレーダーはオシレーターが一連の動きをブレイクする瞬間を待ちます。たとえば、価格が2連続で高値を切り上げていくものの、RSIではそうならないのであれば、ダイバージェンスです。
オシレーターを使ったダイバージェンスでは、トレーダーは価格が示す方向ではなく、オシレーターが示す方向に留まることを選択します。オシレーターでは値を示す前に、複数の期間(ローソク足)を検討するという事実から、説明がつきます。
以下に書くのは、弱気のダイバージェンスがどのように形成されるかです。
- 価格は2回連続で高値を切り上げ
- RSIでは2度目の高値の切り上げを確認できない
- 1以上のRSI値が70を超え、買われすぎの領域であることを示す
以上の状況が現れると、弱気のダイバージェンスが形成され、通貨ペア売りの傾向がでます。FX取引では、RSIが70のラインを割ると、エントリが行われ、売り取引の目標は、売られすぎの領域となります。
この場合、戦略は見事にうまくいきました。さらに、売られすぎの領域から反発した後、EURUSDペアはダブルトップを形成し、測定値の動きはまだ終わっていません。
今では、だいたい同じレベルで2つの弱気シグナルのコンフルエンスがあるため、以前の弱気のダイバージェンスを確認するだけです。市場では1.2530エリアより上に突破するのが難しくなるでしょう。
時には、1つの弱気のダイバージェンスだけでは不十分です。強いトレンドがあり、トレーダーの資金が続くよりも長く、市場はダイバージェンスモードに留まります。
このことは特に、トレーダーが長期間の時間枠でダイバージェンスを探すときにあてはまります。長期間の時間枠でトレンドが弱まるのを待つのは、取引口座にとっては、リスクのあるアプローチです。
以下のEURJPY日足チャートは完璧な例を示します。RSIと価格はダイバージェンスを起こしていますが、その後、通貨ペアはもう一度高値を切り上げており、今回はほぼ縦の動きをしています。
感情面から見ると、以下に示すような強気の週が続くと、乗り切ることができるトレーダーはほとんどいません。しかし、その動きを作り出した理由とは関係なく、市場は2つの弱気のダイバージェンスを形成し、下落の可能性を示します。
強気のダイバージェンスは弱気のダイバージェンスと同様に、頻繁に形成されます。そして、多数の通貨ペアがFXダッシュボードに存在するため、多くの機会が生じます。
ダイバージェンスを使うときのヒントとコツ
ダイバージェンスの問題は、ロボットまたはトレーディングアルゴリズムもダイバージェンスを見ているという点です。したがって、個人の取引ポジション一方向だけにするのは、通常は間違いです。
市場が目に見えるパターンを形成するときは、同じ側のポジショニングが起こります。あるいは、「規則通り」のものになります。
そのため、ダイバージェンスは小さな時間枠よりも大きな時間枠のほうが失敗することが多いのです。
1つのコツは、買われすぎまたは売られすぎの領域に入る前に形成されるダイバージェンスを見つけることです。あるいは、かろうじて、買われすぎまたは売られすぎに移動する第二のスパイク(瞬間的に突出した高値・安値)があるダイバージェンスを見つけます。(市場が強気または弱気フラグ、上昇/下降ウェッジ、トライアングルなどを作る時)これは主にレンジ内で起こるため、ダイバージェンスは成功率が高くなる傾向があります。
下のチャートをチェックして、違いを見てください。現在までに示されている例と比べると、このUSDJPYの弱気のダイバージェンスは、天井を示しました。
形成される頻度はそれほど高くはありませんが、このようなダイバージェンスは、トレンドが反転するときに大きな影響をあたえます。
別のコツは、いわゆるマイナス方向への反転またはプラス方向への反転を探すことです。このような反転は、30から70レベルの間でダイバージェンスが形成され、2つの安値の切り下げまたは高値の切り上げのいずれも買われすぎまたは売られすぎのレベルを突破しない時に発生します。
市場が安値を更新する一方、オシレーターは2つ目を否定します。しかし、そうしながらも、オシレーターは下の売られすぎの領域に移動します。それだけで高値反転の十分な根拠となります。強気のサインがまさに形成されました。
ようやく、RSIダイバージェンスを扱うときに最後のアドバイスを1つします。クローズの時期を待ってください。
辛抱と規律が足らないため、トレーダーがクローズの時期を待てず、終値がつく前にダイバージェンスで判断することが、よくあります。それは高くつく失敗です。ローソク足がまだ終わっていない限り、ダイバージェンスのように見えるものは重要ではないからです。冷静さを保ち、終値がつくときまで待ってから行動してください。
結論
ダイバージェンスはいつでも機能するわけではありません。どんなトレーダーでもそれがわかっています。
しかし、ダイバージェンスはプラスの反転を実際に示すものです。そして、ダイバージェンスが機能しているときには、骨折り甲斐があります。
強気または弱気のダイバージェンスは市場の極端なレベルを示します。レンジの終わり(下降型トライアングルは通常、価格とRSIのダイバージェンスを伴い終了)または強いトレンドの終わりのいずれかに現れます。
ほとんどの場合、トレーダーはすでに偽の動きを探しています。ダイバージェンスが現れると、それが市場への参入のシグナルになります。