FX取引におけるテクニカル分析
FX取引とは、利益を上げることをめざした通貨ペアの売買のことです。一つの通貨だけの取引はできません。FXダッシュボードには、通貨ペアが「設定」されています。
ユーロが米ドルに対して上昇するとトレーダーが考えれば、EURUSDペアを買います。分析で米ドルの上昇が示されれば、トレーダーはEURUSDペアを売ります。
言い換えると、ある通貨の分析が他の通貨を下落させるかもしれません。たとえば、米国がカナダの石油の購入を中止すると決定します。
このようなニュースはすぐにカナダドル(CAD)を引き下げます。しかし主要ペアはUSDCADであり、上昇します。
上の例の裏にあるのは、どんなふうにニュースが通貨ペアに影響を及ぼすかを示すという考えです。それはファンダメンタル分析と呼ばれます。
とはいえ、FX取引にはテクニカルな部分もあります。スーパーコンピュータの支援を受けたトレーダーの一群が、毎日、テクニカル分析に基づき、通貨ペアを売買します。では、テクニカル分析とは何でしょうか?
テクニカル分析について説明
取引の世界では、市場(通貨ペア)は理由があって動くと言われます。普通は、その理由はファンダメンタル側(例 経済ニュース)からきます。とはいえ、方向性はテクニカル分析からきます。
テクニカル分析の起源は数百年前に遡ります。日本人は1700年頃には、将来の上昇価格を予測するためにいわゆるローソク足を使ったと信じられています。
しかし、これは、最近になってはじめて判明したことです。テクニカル分析は米国(他の国などあるでしょうか?)起源のものだからです。米国ほど、このように熱狂的に投機や投資をする国は地上にはありません。
有名なゴールドラッシュからウォール街の投資に至るまで、アメリカ人は金融市場を愛しています。そのため、テクニカル分析がこの国で始まったのも不思議はなく、最重要となるテクニカル分析理論とコンセプトはアメリカ人トレーダーに属するものです。
株式市場は遊び場を示します。トレーダーは、過去の価格の経過を追って、時間の経過と共に起こった進化を見ます。
そのようにして、チャートが現れました。PCがなかった昔に戻ると、チャートは紙とペンで書かれていました。現在、2018年には、FX取引が大変人気があること想像してください!
テクニカル分析は、将来価格を予想するために使われるすべてのテクニカルツールをまとめたものを示します。または単純に言うと、チャート解釈に関するものは何でも、テクニカル分析に属します。
テクニカルトレーダーは通常、ファンダメンタルズを考慮しません。とはいえ、今日の市場では、ニュースが値動きの理由である時には、経済データを完全に無視するのは難しいことです。
FX取引のテクニカル指標
取引プラットフォーム開設後に、最初にトレーダーがすることは、提供された指標を使って、少し「遊んで」みることです。または、どの指標が存在するのかチェックしましょう。
MetaTrader4のような取引プラットフォームには、明確な指標がついている場合があります。とはいえ、だからといって、それだけを使用するわけではありません。
トレーダーは新たな指標を組み立てて、プラットフォームにインポートできます。新たな指標のインポートは、MetaTrader4 または5だけでなく、すべての取引プラットフォームでできるものです。
指標は、トレンド指標とオシレーターの2大カテゴリーに分かれます。トレンド指標は、各トレーダーができるだけトレンドに乗りたいと考えるため、好まれています。
FX取引のトレンド指標
問題は、トレンドはそれほど一般的ではないとう事実から生まれます。FX市場は変動しやすいものですが、トレンドがあるわけではありません。
たとえば、2018年2月のEURUSDの値動きを見てください。 数日のうちに価格は高値を突破し、1.22から、1.25を上回りそうに見えました。
しかし、トレンドではありませんでした。次の動きは弱気になり、1.22に戻ってしまったのです。次に、再び急上昇して、1.25を再び超えたものの、1.23未満に逆戻りしてしまった、などなどです。
市場の動きという意味で、乱高下はするものの、トレンドは存在しません。もちろん、使われている時間枠にもよります。
トレンド指標が例えば5分足チャートでこのような小さな動きがトレンドに見えるかもしれません。しかしその後は、トレーダーの取引スタイルによって決まります。
トレンドに乗るのは簡単なことではありません。強いトレンドであっても、いやな値下りとなるからです。結局、戦略とトレーダーの心理状態次第です。後で、取引アカデミーでこの点についてもっと詳しくお話します。
トレーダーは次のようなトレンド指標を使います。
- 移動平均線
- ボリンジャー・バンド
- 最後までトレンドに乗ることを念頭に置いたパラボリックSARなど。ただし、垂直な線でトレンドが進化するのではありません。トレーダーは値下りを利用して、最初のポジションに追加します。
取引口座を成長させるときには、健全な資金運用と共に、トレンド指標が非常に価値があることが判明しています。
オシレーター
オシレーターもテクニカル分析に属します。表の一番下に表示される指標です。
様々な数式と概念が、オシレーターの中心にあります。オシレーターの線と価格線の間で逸脱している点を見付けて、オシレーターが示すものから離れないようにします。
または、オシレーターに内蔵されている買われすぎレベルおよび売りすぎレベルを使って、それにしたがって、通貨ペアを取引します。
強力なオシレーターは次の通りです。
- RSI – 相対力指数
- CCI – 商品チャンネル指数
- デマーク
- MACD – 移動平均乖離率
- ウィリアムパーセントレンジなど
テクニカル理論を使ったFX取引
テクニカル指標がテクニカル分析への簡単なアクセスを提供するのに対して、取引理論は時間内に進展します。その大半の基本は米国の株式市場から来ていますが、トレーダーは現在のFX取引でもうまく利用できます。
FX市場で使用する主要取引理論のリストを以下にあげます。
- エリオット波動理論。ラルフ・エリオットは、上昇5波の後、下降3波の修正が起こると述べました。それがサイクルであり、エリオット波動理論は市場の動きを説明するときに人間の性質を考慮するために有名になりました。
- ハーモニック。ガートレーはハーモニックトレーディングの基礎を打ち立てた最初の人でした。ガートレーの概念はペサベントとカーニーのおかげで、今日のハーモニックに広げられました。
- フィボナッチ比率。取引理論ではないとはいえ、フィボナッチ数とフィボナッチ比率は、存在するほぼすべての取引理論の整数部分です。上述の2つは?フィボナッチ比率がなくては生き延びることはできません。
- 日本のローソク足テクニック。ほとんどは反転パターンであり、日本式ローソク足はFX取引で非常に人気がでました。最も重要な利点は、相場の反転を示す前に、すべてのパターンが比較的少ない数のローソクを検討します。ハンマー、明けの明星、宵の明星などのパターンは、すべてのトレーダーの武器庫の一部です。
- パターン認識。テクニカル分析に対する西洋のアプローチに属するパターン認識は、以下のような概念を取り上げます。
- ヘッド・アンド・ショルダーズ
- 上昇ウェッジ/下降ウェッジ
- 上昇型三角持ち合い/下降型三角持ち合い
- 強気フラグと弱気フラグ
- ダブルトップとダブルボトム、トリプルトップとトリプルボトム
- ラウンドトップとラウンドボトム
時間と共に、トレーダーが文書化し、そのようなパターンが現れる市場での取引方法に関する一連のルールを定めたため、すべてが有名となりました。
結論
この記事では、FX取引におけるテクニカル分析の概念の導入について述べています。しかし、述べられている概念、指標、および取引理論は、本当のテクニカル分析のほんの一部を示しているにすぎません。
熱心なトレーダーはいつでも、技術コンセプトに取り組むため、多くの質問をし、新たな方法を探します。このために、テクニカル分析は同じアイディアを使うトレーダーからも、別の解釈がされます。
テクニカル分析はうまくいきますか?テクニカル概念であれ、ファンダメンタル概念であれ、どんな概念でも、それを使うだけでは、コンスタントに利益をあげることはできません。
取引は損失も伴うプロセスです。取引とは確率のゲームであり、FX取引が成功するには、テクニカル分析とファンダメンタル分析、資金運用とリスク管理、市場心理に対する深い理解、何よりも多くの時間、忍耐、および献身という、すべてのことが少しずつ必要です。