FX取引:初心者

初心者
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

FX取引口座の解釈の仕方

FX取引を始めるには、まず口座を開設し、その仕組みを理解しなくてはなりません。ここでは最低限知っておくべき、レバレッジ、スプレッド、スワップなどの基本要素を中心に口座がどのように機能しているのかを見ていきます。

個人FXトレーダーは、様々な理由でFXブローカーに取引口座を開設しています。当然ながら、大部分のトレーダーが利益を得るために市場に参入します。

しかし、それだけではありません。名声を得るためでもあります。

FX取引はきわめて簡単にやれるものではありません。生活のために取引をする個人トレーダーはごくわずかです。

真実は成功するために必要な犠牲からもたらされます。しかし、結局のところ、FX取引だけでなく、すべての分野で同じことが言えます。

FX取引が他の通常の仕事よりも有利な点は、その独自性です。経済事象と市場の解釈が同じであったとしても、一日として同じ日はありません。

仮に価格が特定の方法で動く場合、そうなるだろうというルールはありません。ほとんどの場合、相場の動きは論理に従いません。

ここにいくつかの例があります。

─ トレーダーは、ほとんどの場合はオシレーターを使って、売られ過ぎのレベルで買い、買われ過ぎのレベルで売ります。しかし、市場はトレーダーが支払能力がある状態よりも、はるかに長い期間にわたり買われ過ぎ、売られ過ぎのレベルに留まるかもしれません。

─ 中央銀行が金利を上げると、通貨は上昇します。しかし、連邦準備制度が金利レベルを何度も引き上げ、欧州中央銀行(ECB)が下げ相場を維持していたにもかかわらず、米ドルは2017年の大半、下落し続けました。

─ 非農業部門雇用者数(NEP: Non-Farm Payrolls)は、米国で予想を上回っていますが、これまでのデータの改訂により、ドルは回復していません。

言い換えれば、市場は特定の方法で反応するはずです。しかし、それは必ずしもそうなるとは限りません。

これは不透明感と未知の感覚をもたらし、個人FXトレーダーへのプレッシャーは著しく増加します。テクニカル、およびファンダメンタル分析だけでなく、市場心理も重要です。そして、とりわけ資金管理が重要です。

FX 取引口座の要素

個人トレーダーは、FX業界における日々の実質的な売上高のわずかな部分に過ぎません。出来高の約6%は個人トレーダーに属します。

残りはビッグプレイヤーや、スマートマネーからきます。このため、個人トレーダーは市場で有利な立場に立つため悪戦苦闘します。あるいは、ビッグプレイヤーによって与えられた方向に従おうとします。

ビッグプレイヤーが様々な取引戦略を担当する投資顧問をもっているように、同じことが個人トレーダーにも当てはまります。生き残るために、資金管理テクニックが役立ちます。

出発点は、取引口座の要素、有利な条件、および制限を理解することです。したがって、最初からトレーダーは、取引口座とブローカーに関して、どのような条件をチェックする必要があるのかを知っておかなければなりません。

レバレッジ

FX取引は、レバレッジドビジネスです。ブローカーは、銀行間取引市場で取引するためにトレーダーにお金を貸し出します。

銀行間取引市場へのアクセスは個人トレーダーにとって高価すぎるため、レバレッジという概念が現れました。例えば、取引口座に1:100のレバレッジがある場合、トレーダーは、口座通貨が米ドルであると仮定すると、口座にある1ドルごとに100ドルを銀行間取引市場で取引できることを意味します。

ブローカーによって取引条件が異なるため、レバレッジはブローカーごとに異なります。一部のブローカーは1:1000以上のレバレッジを提供しますが、他のブローカーはそのようなレベルを禁止しています。

取引口座の標準的なレバレッジは、1:100から1:200の間であり、1:200はFXトレーダーの間で選択肢として人気が出てきています。

世界のいくつかの地域では、金融当局が介入し、レバレッジに上限を設けています。米国の証券取引委員会(SEC: Securities and Exchage Commission)は、レバレッジ1:50にするよう求めています。

他の地域(例えば、トルコなど)では、政府が介入し、条件がさらに厳しくなっています。

いずれにしても、レバレッジにはリスクがつきものであり、低いほど顧客にとって望ましいと言えます。しかし、そうすると機会も限られた物になります。したがって、個人トレーダーは、高いレバレッジを提供するブローカーを探す傾向があります。

残高、自己資本、および余剰証拠金(フリーマージン)

取引口座に資金を入金した後、全ての金額が残高に振り込まれます。いかなるポジション(通貨ペアの売買)を開く前であっても、残高は自己資本と等しい金額になります。

しかし、両者の間では、自己資本が最も重要なものです。これは、取引口座の実際の金額を示しています。

その理由は、取引口座の金額の変化は、トレーダーがポジションを閉じてから残高に反映されることからきています。これと比較して、自己資本は、取引が開始されたその瞬間からの口座の最新の進展を表しています。

余剰証拠金(フリーマージン)は新規取引に利用可能な金額を表します。数量は最も重要です。なせなら、資金管理やトレーダーが取引口座を解釈する仕方に取引量は重要な役割を果たしているためです。

例えば、1,000ドルの取引口座では、1つの取引で1ロットまたは2ロットを売買すると、余剰証拠金はほとんど、または全く利用できなくなります。さらに、ポジションの最小の動きさえも、ブローカーは自動的にポジションを閉じ、トレーダーはマージンコールを受け取ることになります。

証拠金は担保として機能します。ブローカーは、取引される量に応じて取引口座の金額を差し止めます。

取引で利益が上がるか、ストップロスオーダーに達すると、証拠金は解除され、他の取引に利用できるようになります。

スプレッド、手数料、およびスワップ

市場が動く方向を知ることが、FX取引の全てではありません。もちろん、誰もが利益を求めて市場に留まっているということです。

しかし、利益の最適化はより重要なことです。どの通貨ペアにも買い呼び値と売り呼び値があります。

つまり、通貨ペアを売りたい場合は、買い呼び値のみで行うことができます。通貨を買うつもりなら、売り呼び値を使うことになります。

ロングを行った、あるいは通貨ペアを買ったとして、利益を事前に確定したいとき、または取引がストップロスオーダーに達したときには、その二乗した値が買い呼び値になります。売り呼び値と買い呼び値の差がスプレッドを表します。

スプレッドの差が大きければ大きいほど、トレーダーの利益からより多く消費されることになります。例えば、トレーダーがEUR/USDの取引で、ターゲットが10ピップと、スプレッドが1.5ピップの場合、純利益は8.5になります。

したがって、取引が適切に行われ、そのペアが最後まで持ちこたえたとしても、実際の利益はスプレッドのために15%小さくなります。

全ての取引には手数料がかかります。これは、取引が開始された瞬間から手数料の形、あるいは、変動/固定スプレッドの形で請求されます。スワップは潜在的な利益も消費することがありますが、マイナスなものだけです。

ポジションをオーバーナイトで開いているトレーダーの場合、プラスまたは、マイナスのスワップが口座に表示されます。これは、2つの通貨の金利の差を表しています。

今日、ほとんどのスワップはマイナスです。したがって、FX取引でより長い展望をもっていて、取引を維持したい場合は、スワップを考慮するべきです。

結論

この記事で述べた全ての側面は、実際の売買よりも重要性が低く見えるかもしれません。ある程度、そうであると言えます。

しかし、それらを全て適切な分析に統合するだけで、この業界がもたらす全ての機会をトレーダーは得ることになるでしょう。FXブローカーを選ぶ方法と、FXブローカーとは何であるかについては、トレーディングアカデミーの今後の記事で扱います。

今のところ、ただ自己資本とレバレッジだけがトレーダーの収益性にとって重要であることを考えてください。これらに焦点を当てることで、全てのトレーダーの悪夢であるマージンコールを避けることにつながります。

ブローカーは、余剰証拠金がなくなると、自動的にポジションを閉じ、トレーダーの自己資本ポジションはゼロレベルまで縮小します。レバレッジが高いほど、マージンコールを受け取った際、取引口座に残る金額は少なくなります。