FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

損失を活用する

どのトレーダーも、利益を出すために金融市場にやってきます。短期・中期・長期取引のどれであっても、最終的な目標は、市場または市場変動から利益を上げることです。

一般的な金融取引、とくにFX取引の素晴らしい点は、取引に聖杯がないところです。常にどの市場でも上手くいく戦略は存在しません。

代わりに、FX取引の成功は複数の要因を考慮する、下記のようなバランスを取る動きです。

  • パーソナリティ-他の人より忍耐力のあるトレーダーもいて、このことが取引スタイルおよび戦略に影響します。恐れと貪欲さが主な原動力で、それがパーソナリティに根差しています。
  • 取引の準備度合い-しばしば見過ごされますが、取引準備は意欲的なトレーダーにとっての課題です。例えば、利益が約束された取引戦略を考案したら、実行しなければなりません。しかし、個人トレーダーのほとんどが日々の仕事を持ち、取引で生計を立てているわけではないため、市場をモニターする時間がありません。
  • 取引アカウントの規模-個人トレーダーは、1年かそれくらいで、100ドルの資金から100万ドルをつくろうとアカウントに資金を投入します。事実は異なるため、明らかにこれは希望的観測にすぎません。

上記を挙げた理由は、トレーダーがFX取引で損失を出す可能性をまったく無視していることを表すためで、実際にはそこが開始地点となるべきです。誰もが取引で勝つことだけに注目し、それはそれで素晴らしいことですが、全てにおいて正解というわけではありません。

投機における芸術性とは可能性のゲームであって、損失の最小限の可能性でさえも考慮されるべきです。どんな場合にも、取引戦略またはFX取引能力の楽観視のしすぎや自信過剰が、個人トレーダーの間で失敗率が高くなる主な原因です。

FX取引での損失

取引を実生活の場で考えてみてください。人として、いつでも幸せですか?

来る日も来る日も、何時間もずっと、落ち込むことはありませんか?そのような人生の可能性は、ほとんどありません。

人間として、うまくいくときもあれば、いかないときもあり、ある日は楽観的でも、次の日には悪い日になったり、ということがります。取引アカウントでも同じことです。

ある時は取引がストップロス地点に届き、取引アカウントが損失を被ることもあります。またある時は、取引がテイクプロフィットに届くこともあります。

カギとなるのは、損失フェーズの不利益のなかで、勝利フェーズを引き延ばす方法を見つけることです。または、不幸より幸せになる方法を見つけることです。

FX取引に話を戻すと、正しいアプローチは、トレーダーが戦略を使って利益を上げるところからではなく、潜在的な損失と、それが取引アカウントを破壊しつくしてしまう前にどう対処するか、というところから始まります。

これは、いわゆる先回りのアプローチです。残念ながら、個人トレーダーのほとんどは、問題が起こってから対応します。問題が起こることを防ぐために行動するのではなく、結果に対処してしまうのです。

ですから、損失に対処するための最初のステップは、損失が起こり得るのを認めることです。そして利益が出る取引よりも多く起こるかもしれませんが、それでもアカウントはそのうちに成長します。なぜでしょうか?

第二のステップは、損失に向けて計画を立てることです。取引のパラメーターを設定する際には、資金運用ツールが便利です。

計画を練ることは非常に大切です。この時点で買い、あの時点でストップロスをかけ、ここで引きあげる。

そのようにして、トレーダーはエントリー、利益、損失を計算するのです。

より大きなリスクリワードレシオ

しっかりとした資金運用システムが適切なリスクリワードレシオを使用することは、この取引アカデミーで耳にしたことでしょう。そしてその比率は、潜在的な損失と比較したとき、最低でも利益の2倍、理想的には3倍を期待します。

この業界ではそれが基準であり、もちろん比率が大きい方が良いです。しかし、なぜこのような水準で、その反対ではないのかと疑問に思ったことがありますか?

なぜリスクリワードレシオは1:2 か1:3で、 2:1 or 3:1ではないのでしょうか?その答えは、FX取引の現実性にあります。つまり、利益より損失を被るほうが多く起こるということです。

利益が出ている取引を損失より多くするには、ストップロスを目標50ピップにしながら、100ピップで使用することです。悲しいことにそんなケースはなく、もしそれが可能なら、FX取引はとても簡単で、全員が利益を出すので、市場でどう利益を出すかを学ぶために、この取引アカデミーを詳しく見ることもないでしょう。

ここでの学びは、きちんとした資金運用システムは損失をまず活用し、それから報酬を期待することです。これが、アカウントを成長させ続ける唯一の方法です。

リスクリワードレシオ1:3を考えてみましょう。これは本格的に、リスクにさらされたどのピップでも、トレーダーが3倍にして利益を出す予測をするということです。

あるいは50ドルの潜在的な損失ごとに、トレーダーが150ドルを儲けることにします。しかもこれは、3回の取引のうち1回だけ利益を出せば、損失がでないということです。

実際に、このような比率を使うことが利益を出すチャンス(可能性)を増やすのです。

なぜトレーダーは損失を出すのか

これは人間の性質です。トレーダーは市場がこうした、ああしたと考えますが、実際には市場で起こっていることは、実生活で起こっていることと同じです。

不況や資金価値の損失から貯蓄を守るために家を買いたい、と考えてください。不動産市場を見て、多くの選択肢から一つを選びます。

取引でも同じです。多くの可能性から、トレーダーは取引を選びます。取引がストップロス地点に届いて損失を出すと、トレーダーは市場、業者または他のあらゆる存在を非難します。

買った家の近くに高層ビルが建ち、自分の家の価値が4分の1に減ってしまったら、人は誰か他の者を非難する傾向にあります。つまり、建築許可を与えた市役所や、何も伝えてくれなかった近所などです。

実際には、この両ケースで、トレーダー/人以外の誰を非難すべきでしょうか?取引の分析が甘かった、または家を買うリサーチが不完全だった、しかし両ケースで、欠陥はトレーダーにあります。

結論

幸運にも、必要なことは少々の準備と次の取引を見つけることであるため、FX取引は始めるのが容易です。そして損失を出したとしても、3回目の取引がうまくいけば、取引は収支が合います。

ここでのポイントは、日々の生活で決断をして、結果が良くも悪くも出ることは、トレーダーが何かを売買する決断と同じだということです。結局、これはただ特定の結果が出る可能性ゲームなのです。そして取引では、トレーダーが将来的な利益だけでなく、損失を活用することから始めたとき、こうした可能性が増える傾向にあります。