FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Duration 20 時間

なぜ商品チャンネル指数(CCI)の標準的解釈は機能しないのか

商品チャンネル指数(CCI)オシレーターは、FX取引で人気があります。トレーダーは、この指数を好んで使用します。なぜなら、継続と反転パターンの両方を示すためです。

テクニカル分析の分野では比較的新しく、CCIは、商品市場を分析するために1980年にドナルド・ランバートにより導入されました。しかし、今日では株式からFX取引まで、あらゆる市場のトレーダーによって成功裏に使用されています。

オシレーターはプラスとマイナスの両方の領域を移動し、標準的な解釈は買われ過ぎや売られ過ぎのレベルを示します。他のオシレーターと同様に、標準的な定義では、買われ過ぎ領域でショートに出て、売られ過ぎの領域でロングに出ることを指示しています。

しかし、FX取引では他のオシレーターと共にうまくいくかもしれませんが、CCIの標準的な解釈は、ほとんど機能していません。問題は、それが構築された方法に由来します。つまり、統計的な平均値からの価格変動を測定しているためです。

100を超える値は、買われ過ぎの領域を示し、100を下回ると売られ過ぎの領域を示します。しかし、上記のEUR/USDの日足チャートに示されているように、オシレーターは重要なリトレースメントが起こる前に、買われ過ぎ、または売られ過ぎの領域にかなり長い間留まることがあります。

したがって、従来のオシレーターとしてCCIを使用する代わりに、CCIで取引する新しい方法を探してはどうでしょうか?この記事では、FX取引でCCIを最も有効に活用する方法を示すことを目的とし、標準的な解釈よりも、CCIを使用するための3つの異なる方法を紹介します。

  • ゼロレベルの継続パターンとしてのCCI
  • CCIのダイバージェンス
  • CCIを用いた正確な買われ過ぎと売られ過ぎ領域

ゼロレベルでCCIを使って取引する

このアプローチでは、オシレーターを少し変更する必要があります。より正確には、水平線をとり、それをゼロレベルに置くと、オシレーターのウィンドウに表示されます。

MT4プラットフォームを使ってこれをするには、チャート上を右クリックし、インジケーターリストを選択し、ゼロレベルを追加してCCIを編集するだけです。

エントリーを見やすくするために、赤い矢印はCCIがゼロレベルをクロスする時点を示しています。しかし、そのようなシグナルで単に売買を行うことは、主要なトレンドを捉える保証になりません。

したがって、ゼロレベルで取引するための一連のルール、エントリー、ストップロス、テイク・プロフィットレベルのルールを定義する必要があります。

CCIがゼロレベルをクロスするとき、ショートかロングかのエントリーは明確です。しかし、市場が持ち合いかトレンドの状態かにより結果は異なります。トレーダーは、ゼロレベルのクロスが何をもたらすかを前もって知ることはできないので、CCIが100を上回るか、100を下回ってそこに留まるまで取引をしないことが鍵になります。

ストップロスに関しては、戦略が継続的なものであるため、取引がショートかロングになるかによって、エントリーするローソク足の上部または下部に設定することが必須です。

上記のルールに従い、前回のEUR/USDの日足時間軸に適用すると、CCIがなぜ素晴らしいトレンド指標であるかの理由が示されます。ゼロレベルのクロスは市場が持ち合い相場である時には、トレーダーを痛めつける一方、いかなる市場においてもトレーダーを正しいポジションに位置付けてくれるでしょう。

このアプローチは、2018年のこのペアの2つの主な傾向、すなわち、今年の初めからの強気なトレンドと、まだターゲットが決まっていない現在の弱気なトレンドを捉えるのに十分なものでした。CCIが100を超える場合/超えたとしたら、トレーダーはショート取引をクローズするでしょう。

これは取引への規律あるアプローチを示しており、その利点は、戦略が全ての時間軸と全ての通貨ペアで機能するということです。正確なエントリーとイグジット(決済)ポイントであるため、FX取引に大変ふさわしいと言えます。

CCIのダイバージェンス

この取引アカデミーでは、他のオシレーターのダイバージェンスを取り上げましたが、CCIは特別なものです。なぜなら、市場が持ち合い相場であっても極度なレベル(100と-100)に簡単に達するので、トレーダーはダイバージェンスに特に注意を払います。

CCIを使ってダイバージェンスを取引するルールを設定する前に、強気と弱気のダイバージェンスの条件を覚えておきましょう。

  • 価格は2つの連続した高値を形成しますが、オシレーターは2番目の値を確認できません。─ 弱気のダイバージェンスが現れます。
  • 価格は2つの安値切り下げを形成しますが、オシレーターは2番目の値を形成できません。─ 強気のダイバージェンスが形成されます。

天井(最高値)と底(最安値)を見つけようとするのが人間の本質であるため、ダイバージェンスで取引することは、FX取引では非常に一般的です。よって、ダイバージェンスは個人トレーダーに好まれています。

AUD/USDの4時間足時間軸は、CCIが価格と形成する強気と弱気のダイバージェンスを示しています。前回のトレンドの天井(最高値)と底(最安値)を見つけるには十分でした。

しかしながら、いつものように、落とし穴があります。この場合、秘密はダイバージェンスの最初の動きの部分に焦点を当てることです。

正確なダイバージェンスは、買われ過ぎか、売られ過ぎの領域に移動する最初の動きをもつ必要があります。より正確には、100または-100レベルをはるかに超えるものです。

AUD/USDチャートでは、2つの水平線は、強気のダイバージェンスの最初の動きが-250に相当するCCI値を記録した一方、弱気のダイバージェンスの最初の動きが300の値を示しました。これはトレーダーがダイバージェンスを考慮に入れるのに十分な値です。結果として、CCI値が低いと設定が無効になります。

CCIを用いた正確な買われ過ぎと売られ過ぎ領域

もう一度、オシレーターを変更する必要があります。市場が持ち合い状態であっても、100または-100に簡単に到達する能力がCCIにはあるため、新しい極値を追加することによって、買われ過ぎと売られ過ぎレベルを再設定する必要があります。

そうすると当然のことながら、取引シグナルの頻度は低下しますが、代わりに精度が向上します。選んだレベルは300と-300で、狙いは300を超えた動きのところで売り、-300を下回るところで買うことです。

変更を適用することで、価格がそのレベルに到達するのが難しいことがすぐに分かるでしょう。しかし、全ての時間軸と通貨ペアでその設定を使用することができます。FX取引は、複数の通貨ペア、更には異なる市場の取引を可能にするため、その戦略は天井(最高値)と底(最安値)を見つける機会を多く提供しています。

上記のチャートは、AUD/NZDの日足時間軸を示しています。数カ月前の1.12をより高く超える急騰は、CCIが300を超える値を表示するまでにも至りました。

当然のことながら、設定によれば、これは買われ過ぎ領域であり、ショートに出ることは、値動きの最高値を選ぶことになります。

全ての設定がスムーズに進むわけではありません。そのため、ストップロスが設定されていることを確認してください。

この設定で取引する手順は次の通りです。

  • -CCIが300を超えるか、-300を下回って表示されるのを待つ
  • CCIが100から-100の間に戻った後にのみ、売買に出る
  • 真近のスイングハイ/ローにストップロスを設定する
  • 最低1:3のリスクリワードレシオを目標とする
  • または、できるだけ新しいトレンドから利益を得るような方法でトレールストップを行う

結論

比較的古いテクニカル指標で、様々な市場向けに構築されたにもかかわらず、少しの想像力でCCIはFX取引でも多くの機会を提供してくれます。

この記事では、間違いを起こす可能性があるため、標準的な解釈を無視して、3つの異なる使い方を示しました。

いつものように、健全な資金管理設定の一部でない限り、取引設定は何の価値もありません。どのように構築するかについての詳細は、この取引アカデミーであとに続く記事で紹介します。