FX取引:上級レベル

上級
Trading101
Trading101
Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

逆張り取引のガイド

FX取引における個人トレーダーのパフォーマンスを取り巻く統計によると、恐ろしい割合を明らかにしています。全個人トレーダーの約90%が最初の貯金を失うとのことです。

この悲惨な統計には、複数のことが原因になっています。恐れや貪欲のような人間の本質である要因が、私たち全員にいたずらを仕掛けます。

熱烈なFXトレーダーは、ポジションが望んだ方向と反対に向かうその瞬間に、口座を失うことを恐れます。そのため、ストップロスの解除、マージンレベルを増やすための資金の追加など、あらゆる種類の間違った行動に従事してしまいます。

結局のところ、取引の分野で適切な教育を受けずに、ひと儲けする可能性は低いので、マージンコールはやはりやって来ます。トレーダーが、このことをより早く理解できれば、より望ましいのです。

重要なポイントは、個人トレーダーは、取引領域で誰に立ち向かっているのかを分かっていないということです。FX取引で見る取引量は、ある国の通貨価値を思索しながら、ソファーに座っているママやパパのような近くにいるトレーダーから来ているのではありません。

そうではなく、FX取引の取引量は、中央銀行や民間金融機関、大手投資会社、あるいは高頻度取引会社からのものです。個人トレーダーに属する取引関連の量は約6%しかありません。

そのため、個人トレーダーが、通貨市場の価格を動かすことはありません。せいぜい個人トレーダーが出来ることは、自分の関心をビッグプレーヤーの関心に合わせる、最も簡単な方法を見つけることくらいです。

統計と戦う

上記に基づくと、個人トレーダーの取引の旅は、FX取引で成功するためには低い確率でスタートすることになります。もうお気づきになられたように、統計は役に立ちません。

つまりFX取引の一般的なアプローチでは、何かが間違っているに違いないということです。もし、市場に参加するほとんどの人が最初の貯金を失うならば、その共通のアプローチが何であるかを特定するべきです。そして、その反対のことをするのです。

面白いことに、金融市場は決断をあまり必要としません。上昇するか、下落するかの2つのオプションの間で選択するデュアルプロセスなのです。

したがって、FX取引では、通貨ペアが上昇するか、下落するかを判断するだけです。売買の決断がその後に続きます。

逆張り取引の手引き

コンセプトとしての逆張り取引は、大胆なものです。それは論理と従来の見識に反し、トレーダーを独自取引の旅へと導きます。

言うまでもなく、FX取引では普通の取引よりもリスクの高いアプローチです。しかし、誰もがFX市場でお金を稼ぐのに苦労しているなら、逆張り取引がより危険なものであると誰が言うことが出来るのでしょうか?

逆張り取引は、他の市場参加者に先んじて、トレーダーに競争上の優位性を与えてくれます。

第一に、異なる市場の見方です。異なるとは、この場合、統計が示すように、良い結果をもたらす可能性があるということです。

第二に、素晴らしいリスクリワードレシオを提供します。業界の標準的な基準がリスクの2~3倍を目標としているなら、逆張りアプローチではより大きなリスクリワードレシオを獲得する機会を与えてくれます。

テクニカルな逆張り取引

逆張りの性質が意味する1つの理由に、常に天井(最高値)と底(最安値)を見つけることがあります。つまり、テクニカル分析を使う短期志向のトレーダーが、通貨ペアを売買するためのものです。

日本のローソク足技法は、逆張り取引戦略を説明するための完璧な例です。なぜなら、ほとんどが形成するのに少ししか時間がかからないので(ハンマー、流れ星、同時線のようなパターンにさえ一本のローソク足で十分です)、取引においてきっかけをつくるには、逆張りの考え方が必要になります。

厳密に言うと、トレーダーは底(最安値)か天井(最高値)で売買します。したがって、典型的なパターン認識アプローチと比較して、日本のローソク足が取引のリスクリワードレシオをはるかに上げることは不思議ではありません。ヘッドアンドショルダーのパターンを考えてみてください。それがブレイクするのに必要な時間を見てから、日本のローソク足のパターンが形成されるのに必要な時間と比較すると、違いがわかります。

これは、逆張り取引の別のテクニカル側面につながります。ほとんどの個人トレーダーは、テクニカル指標を使って通貨ペアを売買するため、標準的な解釈に何か問題があることを意味します。

さもなければ、生み出されたシグナルは非常に強力なため、誰もが利益を上げることになります。ここでもまた、統計はそうでないことを教えてくれます。

例えば、この問題を克服するために、逆張りトレーダーは、オシレーターの標準的な解釈を無視するかもしれません。売られ過ぎで買いにでて、買われ過ぎ領域で売りにでる代わりに、反対のことを行う方法や戦略を見つけることに焦点を当てます。

ファンダメンタルな逆張り取引

逆張り取引はテクニカルだけでなく、ファンダメンタルな取引でもあります。数週間から数カ月、さらには数年の間、ポジションをより長期間にわたりオープンな状態に保つトレーダーに対応します。あるいは、スイングトレーダー、そして取引に異なる時間軸を念頭に置く投資家、トレーダーにも適しています。

ファンダメンタルな逆張りアプローチは、リサーチや奥深いマクロ経済の理解の結果です。通常、この種の取引に関わるトレーダーは、一般的な見識に反することに問題はありません。

例えば、主要な非農業部門雇用者数の発表のあとで、米ドルを売るアプローチは、ほとんどの個人トレーダーの目には自滅的な試みに見えるかもしれません。しかし、精通したスイングトレーダーや投資家は、それをチャンスと見て、通貨ペアが示す2つの経済間のマクロ経済差に基づく逆張り取引の大きなエントリーの場として考えています。

逆張りトレーダーの心理状態

おそらく、逆張り取引の最も重要な側面は、心理的な部分から来るでしょう。ここまで説明してきた全てのタイプの逆張り取引は、トレーダーの心理状態が機能不全になった時に失敗します。

逆張りアプローチは、この場合、厳しい規律とFX取引でできることについての詳細な知識が必要になります。もし本能が売りを伝えたら、それに勝負してください。貪欲であるか、または損失の恐れがあるからといってポジションを閉めたいのであれば、それにも勝負してください。

市場がどこにも動かないために、もう忍耐を持てなくなったときは、取引ゲームの一部として考えてください。反応せずに、ただ規律を保ってください。

お決まり文句のように聞こえるかもしれませんが、規律は取引をするための逆張りアプローチです。どうしてでしょうか?

なぜなら、市場で負けるほとんどの個人トレーダーは、取引への規律あるアプローチを持っていないためで、当然のことながら、規律ある者がより勝利するチャンスの中に位置しているのです。

結論

逆張り取引は、FX取引において取り扱いの難しいテーマです。教育を受けていない個人トレーダーにとって、取引するには危険なアプローチのように見えます。

しかし、それは浅い分析です。なぜなら、トレーダーたちは、逆張りアプローチこそが、市場で一定の利益を上げるために欠けているまさにその要素であることを認識していないからです。

群衆は大抵間違っているので、群衆に従ってはいけない、という取引の諺があります。しかし、問題はもちろん、誰もが自分自身が群衆の一部ではないと考えることです。従って、取引アプローチは振り出しに戻ってしまいます。

思考と出来事、および市場レベルの解釈の両方で、独創的であるように努めてください。そうすれば、標準的なポジショニングが市場とは逆であることを理解するでしょう。このように、逆張り取引と通常のポジショニングの境界線は非常に薄いため、真の取引がどこにあるのか不思議に思う人もいるでしょう。

明らかに、資金管理は逆張り取引において重要な役割を果たします。何かあるとすれば、逆張り取引において資金管理はその柱となります。そして規律は、常に規律に戻ります。