FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

高度な資金管理

資金管理は、理解する人がほとんどないほど、複雑な領域です。その重要性を認識する一方で、プレッシャーに耐えられる人は少数です。

資金管理とはリスク管理を意味します。計画されていたこと以外の何かが「もし起こったら」というリスクはあるでしょう。そして、それは起こるでしょう。もしかして、の問題ではなく、いつ、どのように万全に準備するかが問題となります。

したがって、FX取引では、何よりも先に勉強し習得する一つのことがあるとすれば、それは取引口座を管理する方法です。または、取引口座のリスクを管理することです。必然的に、お金を管理する方法です!

最も意欲的なトレーダーでも尻込みしてしまうほど、資金管理について書いたものはたくさんあります。自負心はFXトレーダーのライフサイクルにおいて、より劣悪な敵であるため、ここでは重要な役割を果たします。

人々は「私のほうが知っている」、あるいは「何が上手くいかないのか」という態度を取る傾向があります。特に、初心者の場合、用語や戦略が少し「退屈」であるため、資金管理について聞いたことは全て無視してしまいます。

結局のところ、苦労がなければ、得るものはなく、リスクもなく、利益もありません。そうでしょうか?そうではありません。

目的は、まず負けないことです。次に、お金を儲けることです。

いやが応でも、ライブ取引口座に資金が投入された瞬間から、全ての個人トレーダーは、資金管理者です。それは、取引口座「ポートフォリオ」の資金を責任のある方法で管理するという定義です。

失敗率(個人トレーダーの90%以上が最初の貯金を失う)を見ると、個人トレーダーは競争の厳しいFX取引業界で生き残るために必要な資金管理スキルを完全に欠いているといっていい状態です。

このようなことから、この記事は高度な資金管理とは何であり、またその柱は何であるかの基礎となることを目的にしています。

ここでは、取引口座の高度な資金管理に必要なこと、必要とされるテクニック、および口座がよくある脅威から保護されていることを確認する方法について紹介します。

そして、取引アカデミーの次の3つの記事では、高度な資金管理の3つの柱である、ヘッジ、多様化、適切な計画について詳しく取り上げて行きます。

FX取引における資金管理の構成要素

多くの人がFX取引をギャンブルに関連づけています。結局のところ、カジノを考えて見てください。つまり、選ばなくてはいけないのは、2つのうちの1つの色か、時には1つの数字であり、また勝つか、負けるかでしょう。それはどのくらいの可能性で起こりますか?

FX取引でも同じです。全てのトレーダーは、上昇か下降、買いか売りの取引など市場の方向性を知る必要があります。それができるようになる可能性とは何でしょうか?

ここでの比較の問題は、関係する可能性から来ています。そして、資金管理者であるトレーダーがどのようにこのような可能性をコントロールするかです。

FX取引では、経済を比較することが可能です。二国の経済を比較すると、どちらが強いのか、弱いのかが分かります。さらに、それは先んじて経済的可能性を示します。

FX取引ダッシュボードのほとんどの通貨が自由変動相場制であるため、通貨は経済の強さを表しています。したがって、通貨が経済力と相互に関係しない可能性は低くなります。

上のEUR/USDチャートは完璧な例です。ギリシャとキプロスの経済危機と共にユーロ圏の危機が引き起こされた時、悪循環が欧州全土に急速に広がりました。

GDP(国内総生産)は行き詰まるか、落ち込み、失業者は増加し、そして全体的な経済状況が多くのヨーロッパ人にとって耐えがたいほどまで低下しました。

米国では状況はすでに改善し始めています。連邦準備制度が積極的な措置を取ったために、景気が回復し、単に経済発表を比較するだけでも、欧米の差が明らかになりました。

EUR/USDが1.40からほとんどパリティ(等価)まで、奈落の底に急落したのは不思議ではありません。英国のブレグジット投票(英国は国民投票を行い、欧州連合からの離脱を選択)や、数カ月後の米大統領選挙による重要な政治的、地政学的な出来事により、この通貨ペアは2年以上にわたり縮小しました。

この間、ユーロ圏の経済は大幅に改善され、実質GDP成長率は米国のそれを上回りました。したがって、EUR/USDのペアは1.20を上回る値に回復しました。

ここでの教訓は、経済分析が通貨ペアの動きを予測する可能性を高めるということです。したがって、FX取引は決してギャンブルではないのです。

もし、上記の例のようなファンダメンタル分析の上に、トレーダーがテクニカルなスキルと資金管理のスキルを追加すれば、FX取引での損失はそれほど頻繁には起こりません。

この取引アカデミーを通じて、多くのテクニカル分析戦略とコンセプトを取り上げました。そして、まだいくつか残っています。

しかし、健全な資金管理の原則を伴わなければ、全てのテクニカルまたはファンダメンタル分析の構成は完全ではなく、結果が得られません。

取引口座をヘッジする

ヘッジとは、損失の可能性を防御することを指します。FX取引では、時としてトレーダーが市場の両サイド、つまり同じ通貨ペアの買いと売りで機会を見つけるという二重の意味を持っています。

そのため、ポートフォリオや取引口座をヘッジするということは、同じ市場で異なる取引をすることを意味します。

ヘッジには複数の種類があり、今後の記事で可能な全ての戦略について説明します。

分散:資本を保護するための手段

口座の分散は芸術です。分散について言えば、どのくらいが過剰になるかを示す微妙な差があります。あるいは、過度の分散が口座の成長に影響を与える前にどれだけ分散するかです。

適切な計画 ─ 資本管理の鍵

計画が全ての鍵となります。企業は四半期と年間予算を計画し、政府もそうしています。これはFX取引でも役に立ちませんか?もちろん役に立ちます。

計画には、テクニカルとファンダメンタルの両側面が含まれます。例えば、指値注文をすれば、将来の値動きの計画が明らかになります。

取引週に先立って、今後のリスク事情を検討し、焦点を当てる通貨ペアを選ぶ計画を立てます。例えば、米ドルの動きがある週には、クロス取引か、短期か超短期間な利益を求めるスキャルピングに焦点を当てて取引口座を多様化することが賢明かもしれません。

結論

資金管理は、取引口座の鍵となります。残念ながら、人間である私たちは欠点だらけです。

私たちは衝動的な性格をもち、忍耐に欠け、できるだけ素早く、かつ迅速に成功したいと考えています。そして、特に必要でなければ、ほとんど努力しないか、まったく努力はしません。

始めからお教えしますが、それは不可能です。FX取引だけでなく、人生のあらゆる面においてもです。

取引を趣味として扱うことは適切なアプローチではありません。口座には規律あるアプローチが必要で、最初に行うべきことの1つは、最も競争の厳しい市場で、通貨の売買に飛び込む前に自分自身を教育することです。

資金管理は、トレーダーの心理を主に扱う分野です。資金管理について、みなさんが読んだことは全て、自分と自分の性格の共感を呼ぶものもあれば、別の人の共感を呼ぶ別のものもあることでしょう。

一部の人はリスク回避傾向があり、全てが良い方向に向かっていて、「何もかも最高」の状態でなければ、取引に入ろうとは思いません。他の人たちは、「大局的」に取引するためストップロスを使用しません。

真実は、あらゆる性格に向く普遍的な方策はないということです。そして、おそらく、このことが市場に人々を引き付けるのです。成功する方法は一つではなく、FX取引で成功するために手助けをしてくれる一般的な方法があるだけです。