FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

マルチタイムフレーム分析ガイド

FX取引とは、全タイプのトレーダーが集まって通貨の価値に投機する場所です。通貨はお互いにペアになり、FXダッシュボードはあらゆる業者で取引可能な通貨ペアすべてを示しています。

通貨ペアはピップ単位で動き、ピップとは4桁で表示される価格数値です。取引が1ピップ動けば、利益となるか損失となります。

この観点から、FX取引は他の市場と同様の取引です。ある証券価格が上がると読めば、トレーダーはその金融商品を買います。あるいは、分析によって価格が下降すると読めば売ります。

売買するために、トレーダーは分析を行います。経済(トレーダーは通貨ペアの2国の経済を分析し、売買を決める)またはテクニカル分析が、売買のどちらを行うかの理由付けとなります。

21世紀における取引は、洗練された取引プラットフォームとコンピューターを使用してチャートを描きます。たった一回のマウスクリックだけで、トレーダーは使用と解釈に簡単な、多数のテクニカル商品にアクセスができます。

しかし、取引ツールや理論のほとんどが、株式市場で何十年も前に考案されたものでした。その当時は、トレーダーが市場の全体図を読み取るのに役立つコンピューターは存在しませんでした。

けれども、さらに時間がかかり、パターンを文書化するのはずっと難しかったとはいえ、市場に注目して最もわくわくする方法の一つが何十年も前に生まれました。これが、マルチタイムフレーム分析のコンセプトです。

トップダウン分析の説明

マルチタイムフレーム分析の力を最初に発見したのは、エリオットでした。エリオット波動理論は、今までになかった方法で市場サイクルをカバーし、異なる度合いでのサイクルが、あらゆる取引プラットフォームで今日見られる時間枠(タイムフレーム)に相当します。

エリオットはスーパーサイクルやグランドサイクルについて述べ、より小さなサイクルに分析を分散させました。今日の世界における取引プラットフォームでは、これらのサイクルが月足、週足、日足、4時間足、時間足や他のさまざまな時間枠に対応しています。

エリオット波動理論で異なるサイクルを使ったりカウントしたりする秘訣は、広く大きな時間枠から、狭く小さい時間枠に足並みを揃えて動いていくことです。

エリオット波動理論や衝撃波・修正波については、私たちはすでに充分な知識がありますから、さっそく試してみましょう。もし理論についての知識が定かではないなら、エリオット波動理論のさまざまなコンセプトについて説明している以前の記事をご覧ください。

大きな構図の一部としての月足チャート

月足の時間枠は、すでに取引に充分使えるチャートです。多くのトレーダーにとっては、月足チャート分析をもとに取引をオープンすることは不合理なように聞こえるかもしれませんが、資金運用の助けがあれば、どんなことも可能なのです。

エリオット波動理論の視点を通じ、マルチタイムフレーム分析を説明する道程ではUSD/CADペアを使いましょう。どんな分析も左から始まって右へ進みますので、月足チャートでもこのように始めます。

2つの水平線で最高値および最安値、1つの垂直線で開始部分を記した後、トレーダーはある問いに答えなければなりません。つまり、このあとの動きは弱気の衝撃波だろうか、もしくは修正波だろうか、ということです。

衝撃波が、構成波において突出する1つの延長波を持っていることはすでに分かっています。ですから、答えるべき問いは次のようなものです。1.60周辺から下の平価に下落している部分(メインの下落変動)は衝撃波か、修正波か?そしてこれには目に見える延長波がないため、修正波ということだけが予測できます。

論理プロセスは次に、どんなタイプの修正波か、ということに進みます。シンプルな修正波か、複雑な修正波か?それに答えるには、トレーダーは弱気トレンドでの下方調整に注目します。もし下方調整が前の変動の61.8%超えでリトレースメントしていれば、市場はフラットパターンを形成しています。そうでなければ、ジグザグまたはジグザグで始まる複雑修正です。

上のチャートを見ると、このペアはジグザグの一種のパターンを形成し、底部での価格変動から判断するに、トライアングルで終わったダブルコンビネーションのようです。月足チャートが最大の時間枠なため、これは最大のサイクルですから、トレーダーはこの特徴を用いて、存在する中で最も高いサイクル度合いを指摘することができます。

これがダブルコンビネーションの外観で、月足時間枠がいかにそのままであるべきかを示しています。より狭い時間枠に進むと、トレーダーは論理プロセスを次のレベルへ移行させます。

つまり下降変動が修正波なら、ジグザグのA波のはずはなく(これはいつでも衝撃波です)、フラットであるはずです。よって同じ度合いのB波がトライアングル形成の後に続き、最少リトレースメントレベルは61.8%のはずです。

それを見つけて分類するために、論理的な次の段階は、狭い時間枠(週足)に移ることです。しかし、月足チャートですでにカウントしたものは、これ以上週足でカウントすべきではありません。

代わりに、ただ前の波の最後を記せば、カウントし始める場所が分かり、広い時間枠からの関連する全情報を、狭い時間枠に持っていくことができます。

よって、トライアングルが高値にブレイクし、前のA波が終わった後、61.8%レベルをターゲットにします。

上のチャート左側のシンプルな表示が伝えていることは、

  • 前の時間枠はトライアングルで終わった
  • 十中八九、大きな度合いのA波の終わりのようである
  • 続く下方調整は、十中八九、A波全体の61.8%超である

こうした情報を踏まえ、トレーダーはマルチタイムフレーム分析、または61.8%レベルに届くまで波の構成をカウントするために、日足や4時間足などのさらに狭い時間枠へトップダウン分析を続けます。

ここではそこまで行いませんが、ポイントはマルチタイムフレーム分析が、取引に規律をもたらしてくれるということです。

さらに、狭い時間枠の中や、さらに狭い時間枠で波をカウントすると、同じ通貨ペアであっても異なるターゲットを持つ、異なる取引結果となるかもしれません。時によって、それはショートでもロングでもあるでしょう。

例えば、61.8%へのリトレースメントが起こったけれども、まっすぐなラインではなかったトライアングルの次の動きをさっと見てみましょう。実際に数週間は狭い時間枠で、市場は強い弱気トレンドで目に見える修正を行いました。これは取引アカウントの一部または全体をヘッジする絶好のチャンスをもたらし、トップダウン分析アプローチが提供する洞察を巧みに利用しています。

結論

私たちは、エリオット波動理論をマルチタイムフレームのコンセプトを描くために使用しますが、他のテクニカル分析コンセプトにも同じことを適用します。例えば、オシレーターでのウェッジやダイバージェンスなどです。

カギとなるのは、同じ戦略をすべての時間枠で使うことと、適切なリスクリワードレシオおよび資金運用ルールです。あらゆる取引において絶対に取引アカウントの1%以上のリスクを負わず、可能なときにヘッジをかけ、1:3のリスクリワードレシオを使用する、といったルールはアカウントを発展させ、トレーダーが全体の価格変動ビジョンを完了することに役立つでしょう。

異なる対象時間のため、プラスまたはマイナススワップのようなものは収益性全体に影響を及ぼす可能性があります。よって、これらは分析プロセスの整数部分です。というのも、このようなアプローチを使用するのがスキャルパー、スイングトレーダーや投資家である可能性があるためです。