FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Duration 20 時間

通貨取引の時の市場間分析

金融市場は今日では知られているように、相関して動きます。とはいえ、相関度は市場によって異なります。

場合によっては、複数の市場は直接的な相関関係を持ちながら動きます。他の市場では、逆の関係となる場合もあります。したがって、ある市場で間違いを犯すというリスクが発生すれば、他の市場でもリスクは増加し、FX取引最大のミスの1つである過度な取引が発生するようになります。

このため、FX市場でポジションを取る前に別の市場を分析する必要が生じます。相関は次の2種類です。

  • 内部相関 – 動きの原因となる要素があるため、様々な通貨ペアが相関します。例えば、リスクオンまたはリスクオフの動きでは、EURUSD、GBPUSD、AUDUSD、およびNZDUSDは同じ方向に動き、ほぼ同じ距離を移動します。従って、4つのペアの1つの取引は、他のペアを取引するようなもので、過度な取引となるリスクがあります。
  • 外部相関 - この記事の主題である外部相関とは、FX取引通貨ペアの他の市場との相関のことをいっています。

トレーダーは、何かを売買する前に、内部相関と外部相関の両方を見るというのが公平でしょう。資産を売買する前に、テクニカル分析とファンダメンタル分析の両方を用いるようなものです。

FX取引における市場間分析

何よりもまず、相関は特定期間を指します。そして、相関取引は一筋縄ではいきません。相関度がどう変化し、いつ変化するかは絶対にわからないからです。

時には目に見えないロジックに従います。また別の時は、相関が存在すると考えられるという理由があるからといって、市場がその方向に動くわけではありません。

FX取引で市場間分析の利用を考えるのは、不要なリスクを避けるためです。リスクの1つは、通貨ペアを売買する時に間違えることです。とはいえ、市場は相関しているため、その決定が他の潜在的な取引に影響するかもしれません。

日本円(JPY)リスクオン/リスクオフの動き

日本は従来なかった金融政策決定が行われるようになった大元です。数十年に及ぶデフレに直面する日銀は、日本経済が沈みこんでいるブラックホールから経済を引き上げるため、何でもしようとしました。

思い出していただくために書きますが、インフレがマイナスに転じる時、消費者は購買決定を無期限に延期します。一定のインフレレベルが経済成長につながると研究が示しているため、中央銀行は2%のインフレレベルをターゲットにするというコンセンサスがあります。

問題は、時として経済原則がうまくいかないことです。高齢化が進み、移民の受け入れが難しい文化を持つ日本は、資本主義を極端に推し進めました。

FX取引では、JPY(日本円)は取引の多い通貨の1つです。第1に、JPYは世界の経済大国の1つの通貨です。JPY売買フローにより、価格が急激に動く可能性があります。

第2に、JPYは相関市場からのフローを享受します。リスクオン/リスクオフニュースが市場に影響している時は、取引アルゴリズムはJPYペアを売買するためです。

経験則では、リスクオンの動きでは資本が増加し、円安となります。さらに、経済ニュースまたは地政学的な出来事がネガティブである間は、円高となります。

以上を満たす完全な例が、2018年初から発生した最近の北朝鮮との対決です。核実験が朝鮮半島北部で行われたため、トレーダーは安全を求めて円を購入しました。

論理はもはや意味をなしません。例えば、ミサイルのターゲットとなり、絶滅の危機にある国の通貨(JPY)を買うものでしょうか?それでも、この状況は一度ならず、毎回、ミサイルが発射されたり実験が行われるたびに、起こっています。

明らかに、株式市場は毎回暴落し、相関関係がしっかりとあることが証明されました。従って、何らかのJPYペアと株価指数のポジションをとると、うまくいかなければ、取引口座は二度打撃を受けます。

商品取引およびFX取引

今では、FXブローカーは取引口座に単なる通貨ペア以上のものを提供します。CFD(Contracts for Difference、差金決済取引)の導入以来、FXトレーダーは、同じ取引口座から別の市場にアクセスできます。

例えば商品市場の取引のように、CFDがたくさんの機会の扉を開きます。銀、金、石油などはかなりの乱高下のレベルを享受し、様々な取引戦略にふさわしいものとなります。

とはいえ、商品については1つ言えるのは、需給の不均衡によって決まるということです。通貨とは逆に、金、石油などは印刷できません。したがって、 発見、その場所、商品を市場にもたらす難しさなどが、市場の乱高下に影響をあたえる重大なものです。

しかし、商品取引は通貨の取引とはちがいます。有名な取引理論であっても、よくないニュースがでては、機能しなくなります。

石油取引を想像してください。我々の社会を完全に変えたある商品として、石油は世界規模で主な政治決定の対象となっています。石油は金であり、金は力などだと言われています。

OPEC (Organizations of Petroleum Exporting Countries、石油輸出国機構)会議は、FXトレーダーでも石油トレーダーでも、注意深く精査します。生産レベルを停止する力や生産能力の増加は、ニュースがでるまで、市場に影響を及ぼすことが多いです。

おかげで、石油取引はニュースに依存するようになりましたが、石油と直接関連のある通貨についても同じことが言えます。あるいはカナダドル(CAD)のように相関しています。

FX取引で最多取引通貨の1つであるカナダドル(CAD)は、石油価格と石油業界全体の出来事によって決まります。従って、FXトレーダーは経済指標カレンダーをチェックして、OPECが再び会合を開く時期、石油価格がいくらか、強気パターンまたは弱気パターンで影響するかどうかなどを確認します。以上のすべてがFX取引のCADペアの変動性と方向性に影響します。

とはいえ、CADとオーストラリアドル(AUD)は逆に動きます。ほとんどは市場間の相関関係であるものの、AUDは金市場によって決まります。

重大な金生産国でオーストラリアには、鉱業雇用者が大勢います。金価格が変化すれば、採掘費用は高くなるか安くなり、採掘プロセスの収益性に影響します。

おまけに、「簡単に手に入る金」はすでに全世界で採掘されてしまっているため、プロセスの費用は高騰しています。現在では、採掘会社は以前よりも地面を深く掘り、黄金色の金属を採掘しようとしています。

しかし金は需給にも左右されます。中央銀行から宝石商やその他の産業の利用に至るまで、金価格は劇的な動きを見せるかもしれません。

AUDさえも、金市場以外の他の要因によって変わります。たとえば、中国経済の変化と共に大きく変動します。

オーストラリアは中国の主要輸出国であるため、中国経済が減速するか、経済活動を拡大すると、FX取引で最初に反応する市場がAUDなのです。

結論

この記事の目的は、様々な金融市場の相関性の指摘でした。明らかに、論理的な結論は、金融市場全体では、複数市場が重要になります。

取引スタイルに応じて、取引口座は大なり小なり、様々な市場で体験する相関度によって影響を受けます。しかし、スキャルパー(短期の利益を求めて複数の取引の売買を行うトレーダー)でさえ、他の関連市場との相関を考えなければ、市場取引は難しくなります。

全体として、ここでは基本的な相関について考察し、FX取引と関連する人気市場を取り上げました。他の関連も実際は存在し、通常のオプションの終了、債券と利回りの関係など、市場に含まれていますので、今後の記事で取り上げます。